学園祭-前半-(20)

□小十郎×幸村
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「んっ…んっ……せ、先生ぇ…」

「甘ったるい声出しやがって…ここが何処だか忘れたか?」

「あっ!そ、れはこっちの…ッ」

台詞だ!と叫びたいのは山々だけれども、下肢に顔を埋める男の所為でそれは叶わなかった。



どうやら熱が出たらしい、というのは当人の判断ではなく、世話焼きのクラスメイトのお陰で自覚するに至った。元から健康優良児の高校生、真田幸村はこのくらいたいしたこと無いでござると午前一の体育の授業に出席したが、クラスを二分してのドッジボールにこれ見よがしに精を出した結果がこれ。

何やってんのあんた(アンタ)馬鹿だろ、と両脇をクラスメイトに支えられ、幸村にとって地獄以外の何物でもない保健室へと担ぎ込まれた。

いやだ、おれは教室に戻る!と散々喚いたが、元から授業中居眠り常習犯の幸村の事。

寝ている最中に息を引き取られたら堪ったものではないと、閻魔が待つ保健室に置いてけぼりにされてしまった。開けろ開けろとドアを叩いても、廊下側から2人がかりで阻止されこの部屋の主に呆気なく捕らえられてしまったのである。


(おれは、こんな事しにきた訳じゃないのでござる…っ)

くちゅ、ちゅると下肢から聞こえてくる水音に耳を塞ぐも、腰から這い上がってくる甘い痺れは誤魔化せない。

「せん、せ…っ もう、もう止めてくだされ……!」

「こんなに濡らして…今止めたら辛いのはお前じゃねぇのか」

「ひゃう!」

寛げた制服の中に顔を埋め、先ほどからいやらしい音を立てているのは…この部屋の主でもある、保健医・片倉小十郎。

幸村にとって保健医とは名ばかりの、破廉恥先生である。

男らしく厚い舌に張り詰めた自身を弄られ、頭がくらくらする。それはきっと、熱だけの所為じゃない。つい一昨日も同じ事をされたばかりだから。

 
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