TOX2【長編】
□住むところないんで
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「だって食べるなとか言わなかったじゃないですかー……」
さて、本当にこいつを追い出さないと面倒なことになりそうな気がする
この非常識具合もそうなのだが、これ以上社内に居座られると再び社長からのお呼び出しがかかるだろう、間違いなく
「ぼやいてないでさっさと出て行け」
「えー……」
何が「えー……」だ
むしろこっちが言いたい
「俺不定住所なんでここ出たらたぶん戻って来れないんすよ」
「いや、戻って来いよ」
金返す気あるのかこのガキ……
「この部屋の座敷童になってていいっすかー?」
「いや金稼ぎに行けよ!」
「あ、それは頑張りますけどその前に固定住居探さないと催促出来ないっすよ?俺は別に困んないですけど……」
「…………社内で住居を構えられるわけないだろ」
「ボケに真面目に答えてくれるリドウさん嫌いじゃないなー」
「よし、表に出ろ」
「そういえばリドウさんちってどこなんです?近い方がいいですよね」
全部スルーした方がいいんだろうか……
「聞かれて答える義理はないだろ?」
「近い方が便利だと思ったんだけどな……仕方ないか」
ようやく諦めたかと思ったが、言い直してきたのはさらに突拍子もないことだった
「俺がリドウさんちに住めばいいんだよな!」