TOX2【長編】
□浮かばれない歯車
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「まさかお仕事に俺まで付いて行けなんて指示入るとは思いませんでしたねー」
「ルイン、お前指示なくても絶対来ただろ」
「あはは、当然じゃないっすかー」
こいつは上司と部下という事実を理解しているのだろうか全く……
とはいえ、妙に意識して急に態度を変えられても困るが
いや、今も若干困ってはいるんだが
「だって俺はリドウさんのボディーガードなんすよ？あんまり傍から離れちゃ駄目ですから」
「……そんなもの要らないって何度も」
「俺がしたいから勝手にしてるだけっすよ。……ま、邪魔にならないように頑張りますから」
「それはボディーガードじゃなくて足手まと」
「……リドウさん、俺のこと泣かしたいんすか？」
うっうっ、と泣き真似をして見せるルイン
……いかにも嘘っぽい
「あはは……でも今回は少なくともボディーガードになるかもしれませんよー？ここじゃ前みたいに分史世界の俺がいるかもしれないですし」
「……別に深く追及する気はないけどな、とりあえず分史世界のルイン見つけたらそいつが『時歪の因子』ってことでいいのか？」
「んー……そういう確証はないっすけど。とりあえずあんまり関わらない方がいいと思います」
それは力が及ばないと言っているのか、はたまた何か謎があるのかは、今の時点では判断がつかなかった