TOX2【長編】
□組み込まれる歯車
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「……悪かったな」
「別に謝る必要ないだろ」
「いや、いろいろ黙ってたし、それで迷惑もかけたし……」
「迷惑ならずっとかかってるし今更だ」
「はは……それもそうか」
殊勝なルインは本当にやりにくい
前はそんなに違和感なかったのだが、今となっては気持ち悪いくらいだ
それはともかく、ここまで関わってしまった以上、他人事としてはおけないだろう
あの社長が黙ってはいないはずだ
「……悪いと思うならクランスピア社について来いよ」
「謝りにか……？」
怪訝そうにルインは聞き返してきた
……さすがに突然すぎたか
「クランスピア社に謝ることなんかしてないだろ？」
「そりゃあ、まぁ……」
「お前を紹介しにいく」
「っ……」
顔を背けたがルインは明らかに嫌そうな顔をしていた
確かにこいつが人に従ってるとこなんて想像つかないな……
「……連れてこいとか言われたのかよ？」
「言われる前に行った方がいいだろ？」
「嫌だ……っていいたいとこだけどな。今日は本当に悪かったって思ってるから」
連れてけよ、とルインはものすごく嫌そうに言った