TOX2【長編】

□狂いだした歯車は止まらない
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「ん…………」

「あ、起きた?」

「………見てわかんだろ」


変わっていない……
一体こいつに何があったのだろうか


いや、何かあっても不思議ではないか


俺がさっき人格崩壊したと思いこんでるだけで、これが本来のルインなのかもしれないし、全て本来の物ではないかもしれない


それは昔のルインを知らないのだから俺にはどうしようもないことだ



「ま、そうだな…」


何も気づかぬ振りをしておくのが得策だろう


「で、大口叩いてた割に随分痛がってたけど?」

「はァ?初めてだったからに決まってんだろ」

「……全然そんな感じじゃなかったじゃないか」

「ふーん…それじゃあ俺様の演技も捨てたもんじゃねーってことだな」

「……」


今までのべったべたなお世辞もやりにくかったが、ここまで逆転されるといっそ清々しい


「あー……腰いてェ。風呂場でまでシてくんなよ……」

「休んでればいいだろ」

「休んでる時間ねーから痛み止め寄越せ」


何で命令口調なんだ


「……その金はどっから出てくるんだ」

「……」


少し黙った後すぐに、


「借金に上乗せしとけ」


と答えた

……この返事は一緒なんだな
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