TOX2【長編】

□「おかえり」とか
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「ん……」

特に目覚ましなんて物があったわけじゃない
いつも通りの時間に何となく目覚めただけだろう
あえて言うなら風の便り虫の知らせ、ってとこか


……なんて言ったらあの人にまた突っ込まれるのかな


それにしても、人を疑って生きていそうな感じなのに随分と隙のあるというか抜けているというか……スペアキーを先日会ったばかりの俺に預けていくなんて

まぁ盗まれて困るような物がここにはないということか、それともどこにもないということかは分からないけども



今日のところは家から出るな、ということなので、もちろん命令なんて気にくわないなんてことは思ってなんかいないので、素直に台所や風呂場や洗面所の使い方でも模索することにした



一応使い方は知っている、のだが、少なくとも俺は使ったことはないはずだ

つまり包丁なんて持ったこともないし、料理用黒匣なんて触ったこともない


ないのだが、これを使わなければ料理は出来ないわけで


「適当に魔物の肉でも焼いときゃ食いつなげるんだけどな」


もちろん火は他の魔物に頼めばいい

俺1人ならそれでいけるけどあの人は怒りそうだな……




なんて……







あれ……






俺は何で……






俺は……








僕は……








「…………風呂、入るか」
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