TOX2【長編】

□思い還す歯車
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その孤児院の中でルインは浮いていた
……その時は名前なんて聞いたことはなかったから『変な奴』と思っていた

始めは『変な奴』とも考えていなかった
大人しい子供なら他にもたくさんいたから
孤児ともなるとなおさらだった


しかしその世間一般の大人しい、といわれる子供達とは違うものだった
本当に、違ったのだ

それは子供の視点からも明らかだったけれども、大人からするとさらに顕著であったんだと思う


ルインは口数は極端に少なかった
ほとんど声を聞いたことはなかった


それだけなら暗い子供なのか、と思われて終わりなのだが、それだけではなく


ほんの少しばかり優秀だったのだ
他の周りの子供や、大人以上に
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