雨降り、晴天

□太陽×雨
2ページ/3ページ


キーンコーンカーンコーン

授業終了のチャイムだ
さっきのアイツが気になり、廊下を走って運動場へ向かった
まだ雨は降っていた
「あれ?居ねぇ…」

もうアイツは居なかった
それと今気づいたが今日は晴れている
雨が降っている
雨粒が太陽の光に当たり綺麗に輝いている

俺は校内に戻った
運動場じゃない…
だとしたら屋上か?
こんどは廊下を歩いて屋上へ向かった
運動場行ったから制服は濡れていたがまた屋上で濡れるのだ。気にしなかった

屋上に行く途中で次の授業開始のチャイムが鳴っていた
サボるから関係ないが。
屋上のドアを開ける

雨粒と風が入ってくる

ドアを閉め、屋上を見渡すとフェンスに手をかけて空を見つめるさっきのアイツがいた
身長は俺と同じくらい
制服はびっしょり濡れていて髪からも水が滴っていた
俺はソイツの隣に行き、

「何やってんだ?」

と声をかけた
ソイツは俺の方を向いた
綺麗な深紅な瞳
その瞳は俺を真っ直ぐ見た

「空を見てたんだ。こんな天気は珍しいだろ?」

頬を緩めてにっこり笑う

「君も見にきたのかい?」

と不思議そうに聞いてくる
ソイツの一つ一つの動作に気を取られていた

「あ、あぁ。」

しばらく無言で空を眺めていた
空をみているソイツの顔がすごく綺麗だから

「お前、名前なんつーんだ?」

「俺は空衣萩。君は?」

萩か…
まて、今はまだ空衣って呼ぶんだ

て俺何考えてんだ?
考えていたら頬が熱くなってきた

「俺は窪晴矢」

するとまたにっこり笑って

「よろしく、窪くん!」

と言った
俺の心臓がいつもより大きく波打った

どうやら一目惚れしたらしい
男に

―空衣 萩に―
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ