maindish黒バス(S)

□クロッカスよ永遠に
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「今日の蟹座のラッキーアイテムは、クロッカスの花!春らしいアイテムを持って運気UP!」


へぇー、花ねぇ。真ちゃんが花とか…ププッ、似合わねー。


緑間の影響でおは朝占いを見るようになった高尾。

つっても、占いなんて本気で信じちゃいねーけどな。


「…って、やばっ。遅刻する!」


食べかけの朝食を一気にかきこみ、玄関を飛び出す。

「行ってくるわー!」

走って通学路を通り過ぎる。

途中、花屋を通りかかった。


「あっ…」

色とりどりの花の中、クロッカスの文字が目に入る。


「真ちゃんのラッキーアイテムじゃん。…?」

クロッカスの文字の下にもう一文書かれていた。

「あ、…なんか良いかも。」


携帯で時間を確認すると、走ったお陰で余裕があった。

「すみませーん。この花下さい。」

「かしこまりましたー。」


花屋の店員さんに小さな花束を作ってもらい、学校へ向かう。


教室に入ると、いつものように自分の席で爪を整えている緑間がいた。


でも、ラッキーアイテムがない。

真ちゃんなら花屋にあるの全部買ってそうなものなのに。

高尾は不思議に思いつつ声をかけた。

「しーんちゃんっ。」

爪を整える手を止め、高尾を見た。

「高尾か。」

「どったのさ、ラッキーアイテム持ってないなんて珍しいじゃん?」

「それは……。」

高尾から目をそらして言い淀む緑間。

「? …まぁ、ちょうどよかった感じ?」


ほら、と花屋で買ったクロッカスを渡す。


花を見た緑間は目を見開いた。
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