廻る運命
□第3夜 お遊戯
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「どうしたのぉ?なんで急に目を大きく開いてるのよぉ。」
そう紅玉姫は不満そうに言う。
ごめん。と一言謝った。
言えない。白蓮様と重なった事を。
「…まぁ、いいわ。そんな事より…どうなのよぉ!恋は苦しいものなのぉ?」
私の顔をまじまじ見ながら言う。
「う、うーん?人それぞれだと思うよ?私の場合は苦しいけどね。でも恋してるってなんだか幸せな気分にもしてくる。私はこう思うけど…どうだろ。」
首をかしげながら言う。
正直、紅玉姫の恋は大変かもしれない。
なんせシンドリア国王に恋をしたのだから…。
友達としては叶ってほしいんだけど。
「そうなの青藍の恋は苦しいのねぇ。いつも聞いてたら苦しみなんて感じられないわよぉ?」
そう言いながら紅玉姫は髪の毛をいじっていた。
「ふふ。そうかもね。そんなに苦しさなんてないのかもね。」
私は微笑みながら言う。
いや、たんにあまり苦しんでる姿を見せたくなかったから幸せな話をするんだけなんだけど。
今思うと、何かしら私は人に隠し事が多いような気がして仕方ない。
「本当なのかしら?私に心配してほしくなくて気を遣ってるだけじゃなくって?」
紅玉姫はそう言ってちょっと怒ったように言う。
図星だ。
でも、言えるわけがない。
誰もかもに白蓮様を重ねてしまう事なんて。
絶対に言えない。
「本当だよ!!友達を信用できない?」
私はめいいっぱい笑って言った。
最近、嘘をつく事が多い。
嘘をつくと悲しくなるから嫌なんだけど…。
本当の事も話せないから仕方ないか。私はそう思った。
「(違う…。違うのよぉ青藍。貴女が嘘をついてる事ぐらい皆気づいてるわ。でも、貴女が私たちの為に嘘をついてる事も知ってるから…何もいえないのよぉ。)」
紅玉はそう思っていた。そんな事はみじんもしらない青藍だった。