廻る運命

□第1夜 平凡な日々
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私は我々が戦っても周りに迷惑が掛からないように結界を張った。

その結界は結界に触れた魔法はすべて消える力がある結界である。

私は何故か生まれつきにしてマギと同じかそれ以上かの魔力を持っていた。

舜兄は魔力少ないのに…なんで私はこんなに力あるんだろう。

私はそんな事を考えながら氷の刃をジュダルに投げた。

もちろん。あっさりかわされる。私はその隙をみてジュダルの重力を操った。

ジュダルは地面に膝をついた。

そして、とどめである。ジュダルに雷を落とした。

「げホげほ。チッ。また俺の負けか。」

ジュダルが痺れて動けない体を頑張って仰向けにして言う。

「毎回私が勝ってるんだから、そろそろ飽きて下さいよ。」

私はジュダルに近寄り言う。

それもそうなのだ。もう何十回と手合せをしてきた。

ジュダルは一回も私に勝ったことがないのだ。

「それじゃ、私も昼食にしますね〜。後数分で体は動くようになりますから。それでは。」

私は満面の笑み(嫌味)で結界を解き、その場を後にした。

ジュダルの怒ってる声が聞こえたが私は聞こえないふりをした。

廊下を歩いていると舜兄がこちらに向かってきているのが見えた。

私はそれを見て手を振って駆けた。

「お兄様!帰ってきていらしたんですね!」

そう。舜兄は白瑛様とその他部下たちとある一族を傘下に収めに行ったのである。

傘下に収めることはできたとの事で安心していた。

そんな舜兄が帰ってきたのである。

舜兄は私の頭を撫でながら言う。

「うん。さっきね。でも、一時帰国なんだ。」

「そうですか…。でも、会えて嬉しいです!」

そう言って、私は舜兄に抱き着いた。

久しぶりの舜兄の匂い。とても落ち着いた。

そんな中、タイミング悪く、お腹がなった。

「フフ。青藍、昼食まだなんだね。実は僕もまだなんだ。久しぶりに二人でご飯食べない?」

顔を真っ赤にする私を見て舜兄は言う。

私は精一杯の笑顔で頷いた。

その日の昼食は楽しかったが、これがこれから起こる事件の前兆だった。

食事をしてる最中の事だった。

「え?買い物ですか?」

私はご飯を食べる手を止めて訊く。

そんな事は私ではない人に言えばいいのにと思いながら。

「うん。あそこに大きな木があるよね。あそこで待ち合わせと言う事で…。どうかな?」

舜兄はそういいながら窓から見える大きな木を指した。

もちろん、私は了承した。拒否る理由もなかったからだ。

そして食事が終わり、舜兄は準備があるとの事でどこかに行った。

私も自室に帰って一応町娘の格好をしてその指定された木の元に行った。

まだ舜兄は来ていなかった。

「暇だなー。」

私はそんな事を呟くと木にとまっていた鳥が私の元に来て、肩に乗った。

「小鳥さんどうしたの?あ、もしかして私の相手してくれるの?」

なんか子供みたいと自分で思いながら誰も見てないからいいやと思い、小鳥たちと戯れながら歌った。

「青藍…?」

誰かの声がした。

その声に驚いて私は肩をビクリとさせて横を向いた。

そこに立っていたのは…。

「は、白龍…皇子!?」

そう。白龍だった。な、なんで白龍がここに!?

あ、そっか、白龍も誰かと待ち合わせしてるのかな?…誰と?白瑛さんかも。

いや、白瑛さんであってください。

私は俯きながら白龍と目をあわさないようにしていた。

もちろん。なんとなくである。

「あれは…さきほど歌っていらした歌はなんという歌なのですか?」

白龍が私の顔を覗きながら訊いてきた。

ちょっとびっくりしたけど私は落ち着いて答えた。

「はい。あれは……子守歌です。」

そう微笑みながら言った。

すると何故か白龍は顔そむけた。

まぁ、気にはならなかった。昔からよくある事なのだ。

さすがに初めてそむかれた時は嫌われたんじゃないかと焦ったけど違ったので安心したという事があってから気にしなくなったのである。

「その……綺麗な…歌…ですね。」

顔をそむけたまま白龍が言う。

なんだか可愛らしくなって後ろから抱き着きたくなった。

もちろん恥ずかしいからそんな事は絶対にしないけど。
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