アクセル・ソード・バースト

□BarTime
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僕、[黛 拓武](マユズミ タクム)はとても賑やかなバーに2人で来ていた。
ただそのバーに居る人達は全員が人では無い。
例えば、今自分の隣に座っている二足歩行の猫型女性アバターのように。

「タク、出番が来ない。」

その猫型アバター、[倉嶋 千百合(クラシマ チユリ)]は少しむくれながら呟く。
いつものアバターはもっとチユに近いけど、ここでリアルが割れうるアバターを使う訳にはいかないと言うのを説明したらこのアバターを選んだ。

「相席、大丈夫か?」

チユに言葉をかけようとしたらその前に1人のアバターに話し掛けられ、そちらを向いた。オレンジが主体の迷彩服を来た人型男性アバターに真っ黒なウエディングドレスにバラのアクセントが着いた女性アバターの2人組だった。

「どうぞ。」

自分達の立ち位置的に微妙かもしれないが、特に断る理由が無かった為許可した。 
すると男性アバターが手慣れたように椅子を2つ引き、女性アバターと共に席に着いた。

「「「「・・・」」」」

その後はまた沈黙が支配してしまった。
チユも自分の立場を理解してるため喋らない。

「…2人は、此処に来るのは初めて?」

するとさっきまで喋らないでいた女性アバターが口を開いた。

「えぇ「お前達、此処が対戦の聖地って呼ばれてる理由知らないのか?」―はい?」
 
女性アバターの質問に答えようとしたら、男性アバターに遮られた。
その内容も、少し予想外だった。

「此処はどのレギオンにいるどんな奴も正々堂々戦う為の場所何だぞ。」 

「「・・・」」

その発言を聞いて黙ってしまう。
その反応を見た男性アバターが何か確信したのか緑色の目を輝かせるようにして続けた。

「だからレギオンのマスターが俺達みたいに小悪党の極みみたいな地主だろうと、お前達みたいに賞金首でも関係ないんだよ。シアン・パイル、ライム・ベル。」

「「!!!?」」

その発言を聞いて僕達は言葉を失った。
チユはまだ名前を言って無いのに自分の正体を見破られた事に対して驚いているのだろう。
でも、僕からしたらその前の言葉を聞いて警戒しない訳にはいかない。
彼のマスターは地主だと言った。
それはこの世界では領土の事を指しているとしか考えられない。
つまり彼らは五代目クロム・ディザスターの討伐時に乱入し、マスターと赤の王を殺そうとした黄の王ことイエロー・レディオの部下だ。 

「…どうしてそう思う。」

その辺りを飲み込み、質問した。

「まず此処で見ない顔でありながら外、通常対戦フィールドで目立ってた奴は基本的に過剰に警戒する節がある。それでいて中途半端に疲れてるように見えるって事は此処を知り合いから聞いてグローバル接続を切りながら秋葉原でのヒントが少ない中歩いて来たって事になる。大まかなヒントしか知り合いが言わなかったって事は知り合いも余り道順が解らない方法で此処に来たって事だろ。例えば…他のバーストリンカーのバイクにいきなり乗せられて此処まで来たとか。」

「!?」

「え?」

「てことは知り合いで一番可能性が高いのはロータスを守る騎士、シルバー・クロウだろう。そぉなると消去法でシアン・パイルとライム・ベル以外考えられない。」

「・・・」

パニックしそうな頭を何とか回して比較的重要な事を纏めた。
彼はハルが此処に来たことだけでなく赤の王の側近、ブラッド・レパードのリアルを知っている。
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