アクセル・ソード・バースト

□#1
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ある荒野に、全身に装甲を纏った三人が立っている。
それぞれ色も形も違うが体型からして男性だと解る。

「もお、俺達とお前ぐらいしかいないのか。」

その中の一人、真っ白で薄い装甲で身を包む、声からして小学生ぐらいの少年が目の前のとても分厚く頑丈そうで、ほんの少しだけ青みがかった緑色の重装甲を身に纏う者に声を掛ける。 

「………。」

しかし返って来たのは無言。
少年はその態度に慣れているのか、そのまま一人で語り始める。

「本当に最初は凄かった。此処までリアルな闘いをやれるゲームなんて科学が此処まで進歩したこの世界でも無かった。みんな本気のぶつかり合いを楽しんでた。“上”なんてのも見つかって、ようやく色のおおまかな特性も解ったって所なのに、ポイントが不足して一人、又一人と姿を消した。もうこの世界は終わりだろうな。」

「……其方等には届かなかったのか?」

どこか引っ掛かる語句を含め白の少年が名残惜しむように呟いた時、ようやく青緑の男が口を開いた。
その体格に似合わず、声色からして彼もまた少年のようだ。

「届いたよ。四月から始まるって言う【“#2”の“オリジネーター”優先権】は。それに俺達は答えももう伝えた。」

白い少年はそう言った後いったん区切り、

「お前もだろ。」

としっかり緑の少年を見据えて言った。
 
「……。」

緑の少年は再び、だが今度は肯定の意味が明らかに込められた沈黙で返した。

そこからしばらく、ずっとそばに立っていた朱い装甲の少年も交えてたわいも無い会話でこの世界で最後の対話を、“加速”を楽しんだ。







「――――もう終わりか。」

白の少年がそう言った時、中心上部の数字は30を切っていた。

「まぁ、次会うときは俺達の姿も変わってるだろうし、今度も敵として闘う事になるだろうな。」

「……また其方等と逢える時を楽しみにしている。」

「…オレも、オレ達も楽しみにしてるぜ。リーフ・シード。」

白の少年の発言に緑の少年が返事をした時に朱の少年が緑の少年の名を呼んだ。

「…………」

リーフ・シードは少し長い沈黙の後、少しだけ頷いた。 

「じゃあな。」

その直後白の少年は一人事のように呟いた。






「“アクセル・アサルト”。」 

カウントが、0になった。

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