龍
□野獣冴島
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「だーかーらー!重いってばー!」
こたつに入ってテレビを見ていたら、外から帰ってきた冴島さんがのしっと背中に乗っかってきた
普段は照れて引っ付いたりとかしないくせに
今日はずいぶんと甘えるなーと思ったら
この男、酒臭い!
「酔っ払いは早く寝るんです〜」
「ここでええ」
「良くない!おーもーいー!!」
酒が入ったせいで眠いのか、ゆっくり喋る冴島さん
駄々をこねるみたいに背中にスリスリと 頬を擦り付ける
ただ寄りかかるだけだったのに、腹に手を回され、後ろから抱きかかえるようにしてこたつに入ってきた
「もしもーし、抱き枕じゃないですよー」
「おー…知っとるよ」
もうこのおっさん駄目だほっとけ
諦めて冴島さんにもたれかかって、またテレビに集中する
数人のお笑い芸人が全力でふざけてて、ついついクスッと笑ってしまう
私が笑うと、冴島さんはもぞもぞと動いた
「ええ匂いがする」
フンフンと首筋あたりを嗅がれて、くすぐったいと身を捩ると、強くホールドされた
「なんか付けとるんか」
「えー?何も付けてないけどなぁ…」
自分でもくんくんと嗅いでみるけどなんも臭わなくて、変なのって思っていたら急に胸を鷲掴みされて身体が跳ねた
「なん!?何!?」
「嗅いどったらムラムラしてしもた、堪忍や」