□野獣冴島
1ページ/3ページ



「だーかーらー!重いってばー!」


こたつに入ってテレビを見ていたら、外から帰ってきた冴島さんがのしっと背中に乗っかってきた

普段は照れて引っ付いたりとかしないくせに
今日はずいぶんと甘えるなーと思ったら
この男、酒臭い!


「酔っ払いは早く寝るんです〜」

「ここでええ」

「良くない!おーもーいー!!」


酒が入ったせいで眠いのか、ゆっくり喋る冴島さん
駄々をこねるみたいに背中にスリスリと 頬を擦り付ける

ただ寄りかかるだけだったのに、腹に手を回され、後ろから抱きかかえるようにしてこたつに入ってきた


「もしもーし、抱き枕じゃないですよー」

「おー…知っとるよ」


もうこのおっさん駄目だほっとけ

諦めて冴島さんにもたれかかって、またテレビに集中する
数人のお笑い芸人が全力でふざけてて、ついついクスッと笑ってしまう

私が笑うと、冴島さんはもぞもぞと動いた


「ええ匂いがする」


フンフンと首筋あたりを嗅がれて、くすぐったいと身を捩ると、強くホールドされた


「なんか付けとるんか」

「えー?何も付けてないけどなぁ…」


自分でもくんくんと嗅いでみるけどなんも臭わなくて、変なのって思っていたら急に胸を鷲掴みされて身体が跳ねた


「なん!?何!?」

「嗅いどったらムラムラしてしもた、堪忍や」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ