□幼なじみの大吾くんと
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「ブワハハハハ!!!!」

「品のねぇ声で笑ってんじゃねぇよブス!!!!!!」

「今のお前よりは可愛いわ!!!!ブフッ!!」

東城会の六代目であり、私の幼なじみの大吾が休みだと真島さんに聞いて
大吾と遊ぼうと思って、たまたま部屋を覗いたら真っ黒なスーツに身を包んだ大吾…ではなく、
スカートを穿いた女性らしき背中。

え、うそ…まさか…彼女?

よく見ると、真島さんが隣に居るみたい。
真島さんは私に気づくと、人懐こそうな笑みで手を思いっきり振ってきた。


「ななちゃぁん!こっちや!こっちー!」

「なな!?おい、こっちくんな!!帰れ!!!」

「え?大吾なの?何して…」


何してるの?って聞こうとしたのに、大吾らしきモノがこちらを向いて、冒頭に戻る。

ばっちりメイクを施された大吾は見れば見るほど、チャンピオン街に居そうな感じがする。


「ひー、腹がよじれるぅ!」

「えー、ごっつかわええやんけ、なぁ大吾ちゃあん」


大吾は照れながらも、よりによってななに見られるなんて!と、悔しそうにしている。


「なんでその、女装なんてしてんの?」

「真島さんに脅さ…頼まれてだよ」

は?真島さんが?
真島さんの方を見ると、視線がかち合った。
せやで〜と上機嫌に笑っている。

こんな光景、峯さんが見たら泣くぞ。


「大吾ちゃぁん、ちゃんと女の子らしくしなきゃぁ」

「男の部屋に遊びに来るのにスッピンのやつには言われたくねぇな」

「お前の前でメイクしても意味ないからいいんですぅ!」

「相変わらず口が悪ぃ…」


幼なじみにメイクした顔をみられるのは、なんだか恥ずかしくて嫌なだけなんだけど、大吾がムカつくのでそれは言わないでおく。

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