吉原から始まる”恋”と言う名の物語

□吉原桃源郷にて 貴方と銀時
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鳳仙が倒れている、
屋根の上では、神威と銀時のシリアスな話が

ひろがっていたーー……。


辺りはシンとして、神威と銀時の声が響く。








「そうかい。
大した自信だね。

じゃあ早速、この第二の夜王と開戦といこ…『ダメですよ。』



いきなり、少し高めの声が響く。



誰もがその声のした方をみた。








『お客様が戦い出したらこの吉原が崩壊してしまいます。

それだけは避けたいのです。

私はこの吉原を結構気に入っていますので…。』






瑠亜はそう言ってにこりと微笑んだ。


すると神威は少し困った様な
顔をして






「君がそう言うなら仕方ないね。」




と言って戦うのをやめた。





『月詠、もう祭りは終いよ。
鳳仙は死んだ。

貴方達は好きな様に生きればいいわ。』


「亜綺奈様は…どうなさるのですか?

もしよければ、わっち共と一緒に…!」


『いいえ、月詠。
私はこの方についていくわ。』







瑠亜がこの方と言ったのは当然、神威の事である。






「そうですか……。」


『又いつか会いましょう。』







そう言って神威の元に行こうとした時、今まで何も喋らなかった銀時が動いた。





「ま、まて…まてよ!!



















瑠亜!!」





『?!!』





瑠亜は驚いた。

目の前にいる初めて会った侍が自分の名を知っていたからだ。






『……お侍様、
如何して私の名を?』





瑠亜がそうつぶやくと
銀時は目を見開いた。






「お前、覚えてねぇのか…?

嘘だろ?
高杉の事もズラの事も忘れてるのかよ。

何でだよ…


天導衆の奴らに何かされたのか?!」






銀時は普段神楽や新八には見せない弱々しい
言い方で瑠亜に言った。





『高杉…?ズラ?

はて…知りませんね。


貴方は何故私の事をそんなに知っているのですか?』







瑠亜の前の銀髪の侍は絶望的な顔をしている。


だが、瑠亜は目の前の
侍の事を本当に知らない。







「……。
そうか…。

いや、すまねぇ。
知らねぇのか。

瑠亜、俺は銀時っつんだ。
それだけは覚えておいてくれ。」





銀時と言う侍は酷く悲しそうな顔をして、そういった。





『銀時…。
分かりました。覚えておきますね。』



そして神威と瑠亜は消えた。





















「瑠亜…。」


2人が消えたあと、銀時の瑠亜を呼ぶ、弱々しい声が響いた。










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