ドラズ短編
□marry
1ページ/1ページ
「あ、あのっミミ子さん…っ」
さあ今日こそ言うのです私!
勇気を出してっ…!
「い、いっ一生幸せにすると誓います」
「でっですからっ……」
「私と結婚してくださいっ!!」
・
・
・
・
・
・
・
「あいつが結婚、か。女の子が苦手な奴がよりにも寄って一番最初に結婚するとはな」
送られてきた結婚式の招待状を眺めながらエル・マタドーラは隣にいるキッドへ向かって呟いた。
小さいながらささやかな結婚式を22世紀の生まれ故郷で考えているらしく、
書かれた教会の住所には俺たちには愛着のある街の名前が書かれていた。
「そうだなぁ〜ま、すごく仲良かったみたいだし遠からずとは思ってたけど…ちょっと意外だな」
「そういえばお前はセニョリータと上手くいってるわけ?
俺、お前とセニョリータが一番に結婚すると思ってたよ。
おい、王ドラに先越されっちまったぞ?いいのか?」
「余計なお世話だっ!ってかうまくいってるよ…。会うたびに喧嘩してるけどな」
「マジ?会うたびに喧嘩ってなんだよ…。
でもお前らのことだから喧嘩するほど仲いいんだろ?早く結婚しちまえよ」
「だーかーら余計なお世話だっつうのっ!そ、そりゃあ俺だって遠からず、だな…」
「へぇ〜考えてるわけね。あーうらやまし」
「お前も真剣に恋愛しろよ…」
「はっ!?俺様はセニョリータ相手にはいつでも本気だぜ!?」
「はいはい、失礼しましたっと」
王ドラには家族ができる。
ロボットだから子供が生まれるという概念はないとしても、もしかしたら何らかの形でさらに家族が増えるかもしれない。
学校を卒業して早20年。
7人でバカして遊んだ日常はとっくに去り
それぞれが夢に向かって別々の場所へ旅立ち
今はもう7人で集まることはほとんどない。
気がつけばこうして結婚する奴が出てきて
当たり前だけど、時は止まらないんだなぁと感慨深く感じる。
「幸せになって欲しいよな…」
「あったりめえだろ!親友の幸せだっ結婚式の時さぁ、サプライズ俺たちで考えようぜ!」
「ハハハ、なんか不安だけどやっちゃう?」
「不安ってなんだよ!変なことしねぇよっとにかくやるぞ!ドラメッドとかドラリーニョとかも招待状受け取ったはずだよな?近々久しぶりにみんなであって計画たてようぜ!」
「オッケー」
ああ、なんかワクワクするな。
全員集合って何年ぶりだろうか。
王ドラおめでとう。
一生幸せにな。