ドラズ短編
□俺たちの収入事情?
1ページ/1ページ
学校を卒業してから20年がたった記念日に俺たちは久々に集まることとなった。
こうやって節目節目に昔馬鹿やった親友たちと出会えるのは至極嬉しい。
そう、嬉しいんだ。嬉しいんだが社会人として長く過ごしてきた今、ちょっと頭を悩ますことがある。
それは超ストレートに言ってしまうと
「金」だ。
ちょっくら俺の独り言に付き合ってくれねぇか?
俺の親友の収入のことだ。
ドラメッドは今も変わらず大昔のアラビアで富豪のお世話係として働いている。
主人が結構な金持ちだし、とりあえず確実に生活には困っていない。
道具はたくさん持ってるし。あーうらやましい。
ドラリーニョは立派に成長したノビーニョ君の世話からすでに離れ、夢だったドラリーグの名選手として大活躍している。
ロボットも人間と同じように自立し、同じように働いて生計を立てている現在、プロサッカー選手の年収もほぼ人間の選手と変わらない。
それに超優秀であるからなおさらだ。
気が付けばドラリーニョはドラえもんズ1のお金持ちになっていた。
だからなんだと言われたら確かにそうなんだが。
本人もお金があるからといって道具を買うわけでもなく、家を買うわけでもなく、ただただずーっと貯めつづけているらしい。
多分使い方がいまいちよく分かっていないのだと思う。
ドラ・ザ・キッドは
西部開拓時代駐在員兼タイムパトロール隊員としてバリバリ働いている。
命と引き換えの毎日を送っていることもあってか、収入もそれなりにすごいらしい。
ドラニコフは
一度は落ち込んだものの見事大人気俳優として甦り、この数十年ずっとファンの心を掴んでいる。
ドラマに映画、CM、あまり喋らないからラジオには出ていないがとにかくすごい。
そういう話をしないから分からないが、きっとこいつも相当稼いでいるのだろう。
王ドラは少し昔の中国で今も医学の勉強とカンフーの修行に明け暮れている。
俺はというと、最近やっと闘牛の腕が認められ始め、ちょくちょく正式な大会に参加できるようになったが
まだまだ生活は苦しく、カルミンに住み込みのバイトをしている状況は変わっていない。
未だに自慢のヒラリマント以外全てレンタル道具というなんだか悲しい状況。
だからたまにこうやって22世紀に帰ってみんなと遊ぶ時が地味に辛いのだ。
頑張っているけど本気でお金がない。
けど遊びたい。どうすりゃいいんだよ。
そういえば学生のころは散々落ちこぼれと言われていた。先生からもかなり酷いことを言われていた気がする。
多分今の状況を見たらそんなことは言えないと思う。まあ、俺様は悲しいくらい変わってないが。
特にあの3人はすごい。
親友の目から見てもすごい。多分今の奴らに「落ちこぼれ」などと言える奴はいないだろう。
なにしろ落ちこぼれと散々馬鹿にしてきたやつよりも社会貢献している上に収入がものすごいことになっているのだから。
なんか世の中ってどこでどうなるかなんてよく分からないよな。
うん、ほんとそう思うぜ。
ま、俺は貧乏でも夢を諦めたくないから頑張るとすっか。
え?リーダーはって?
ああ、ドラえもんな。ドラえもんはのび太君のお世話は終わって今は22世紀に帰ってきてる。
元の主人のセワシ君のとこで生活してるぜ?
まあ年収的には俺とあいつは同じくらいかな。
俺のよくわかんねぇ独り言に付き合ってくれてありがとな。
要約すると、俺とドラえもん以外は基本的にすごいってことだよ。
特にリーニョと二コフとキッドが。
それが言いたかっただけさ。
じゃあな