向日葵   ※連載中

□第2章
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今日の屯所は朝からざわついていた。
なぜかというと、どこから情報がもれたのか女隊士が入隊するからだ。



「みんな静かに!!もう知ってる者もいると思うが新しい隊士を紹介する。それじゃあ入ってくれ」


『初めまして、今日からお世話になります。 美雨です。よろしくお願いします」


「彼女は副長付き補佐役についてもらう。まだわからないことが沢山あるだろうから、みんなよろしく頼むな」



隊士たちからは歓声が上がったのと同時にまた副長かよ〜なんて文句もあちこちで上がっている。


散々みんなが文句を言ったら土方さんの怒りが爆発してみんな逃げるように部屋を出ていった。





「じゃあ 美雨ちゃんは今日はトシについて書類の整理を手伝ってもらおうか。トシよろしく頼むな」




行くぞと言われて部屋を出てしまったので、慌てて近藤さんに頭を下げて後を追いかけた。









うわ…書類で部屋が埋もれてる。これどこに何があるか分かるのかな。
警察って見回りとかばっかりしてるんだと思ったけど、こんなこともやってるんだ。



『あの、私は何をしたらいいでしょうか?』


「そうだな、そこに書状の山があるだろ。あれを日付ことに分けてまとめてくれ」




この山を!?今日中に終われるかな。土方さんは机に向かってしまったので、とにかく私も取りかかることにした。













………ふぅ
結構綺麗に片付いたんじゃないかな。土方さんはと、まだやってるな。お茶でも持ってこようかな。そろりと部屋を出て台所に急いだ。












『あの、お仕事中すいません。土方さんの湯のみってどれですか?』



あらぁ、と言われて食堂のおばちゃんたちに捕まってやれ人形みたいだとか、土方さんとは上手くやっていけそう?とかお湯が沸くまでの間すごい質問攻めにあっていた。



ちょうどお茶にしようと思っていたらしく、お菓子を少し分けてもらったのでおばちゃんたちの分もお茶を入れてみた。みんなこんな美味しいお茶飲んだの初めてと喜んでくれた。


お茶ひとつでこんなに喜んでもらえるなんて思わなかった。ここの人たちは本当に優しいんだな。なんだかくすぐったい気もするや。


お礼を言って土方さんの部屋に戻ろうとしたらナナさんに出会ってしまった。持っていたお盆をジロリと見られて




「副長補佐って雑用なのかしら?あら土方さんのお茶ちゃんと濃いめにいれたの?いつも美味しいって飲んでくださってるから」



『……失礼します』



なんかその場にいるのが辛くなって足早に逃げて来ちゃった。ナナさん私のこときっと嫌いなんだな。





『土方さんお疲れさまです。お茶入れたので少し休憩にしませんか?』



「あぁ、そうだな……ん?新しい茶でも買ったのか?」



『いえ、たぶん違うとおもいますけど?』



「てっきり新しい茶葉を買ったのかと思ったが、お前の淹れ方が良かったのかもな。次からはお前が淹れてくれ」



すごく嬉しかった。今まで邪魔にされることや嫌われることは沢山あったけど、お礼を言われることはなかった。
「次からはお前が淹れてくれ」
まるでずっとここに居ていいぞと言ってくれたように思ってしまった。



『はい。ありがとうございます』



カタン…
その時、廊下に誰か居たような気もしたけどその時の私はただ嬉しくて気がつきもしなかった。




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