向日葵 ※連載中
□第4章
1ページ/5ページ
抱き合ったまま見つめ合い顔が近づいていく…
ダメ…やめて…
『やめてっ!!』
気が付いたら2人を引きはがしていた。
『土方さん…ナナさん。さっきのキノコは毒キノコなんです。惚れ薬と同じ効果があるんです』
「惚れ薬…構わないわよ。私は土方さんを愛しているもの。なにも困ることはないは」
『こ、こんな偽りの愛、私は認めません。』
「あなたに認めてもらわなくても結構よ。本当に私に夢中にしてみせるから」
そのまま2人に追い出されてしまった。土方さん、このままナナさんを本気で好きになってしまうの?…そんなの嫌だ。
「あ、いた。美雨ちゃ〜ん。これは俺の愛の…ぐぶほぉぉぉ」
追いかけてきた近藤さんを吹っ飛ばして急いで万事屋に急いだ。
『銀さん!!新八くん居る?』
ソファに寝転んでジ●ンプを呼んでいた銀さんをまず吹っ飛ばして、新八くんに事情を説明した。
「美雨さん、あれは効果が切れるまで待つしかないんです。それも人それぞれだからいつ切れるかはわからないんです」
『そんな…』
効果が切れるまであのまま耐えるしかないの?
なす術がなく、とりあえず屯所に戻ることにした。
―――夕飯時
『美雨ちゃん、はい。あ〜ん』
近藤さんと私、土方さんとナナさん。
向かい合って座ってご飯を食べてるその姿はそれはもうおかしいこと極まりなかった。
もちろんみんな食事どころではなく、ザワザワとしている。
「美雨ちゃん?これはなに?どうしたの?」
意を決したように山崎くんが話しかけてきた。
実は…と事の経緯を話した。
「だったら体から早くその成分を抜けばいいんじゃない?」
そうか。とりあえずキノコを体から出してもらおうということになって、近藤さんには申し訳ないが強力な下剤を飲ませることにした。
「ぬぅおぉぉぉぉぉ〜」
トイレに駆け込んで約1時間。げっそりとした様子で出てきた近藤さんは、そのまま布団に倒れこんで寝てしまった。
ごめんね近藤さん!今度おいしいバナナいっぱい買ってくるから!
近藤さんはこれでよしっと。あとは土方さんか。