向日葵 ※連載中
□第3章
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「美雨これがお前の初任務だ。何度も言うが無理だけはするな。いいな?」
緊張した顔でコクリと頷いた。今回はあるテロ集団の鎮圧にきた。美雨は薬の知識があるため、救護班として任務についてもらった。最悪の事態を想定して、念のために刀も持たした。
『みなさん、どうかお気をつけて。私が活躍しなくてもいいように帰ってきてくださいね』
「いってきまさぁ」
「あぁ、ここには近藤さんもいる。なるべく側からはなれるなよ」
近藤さんと話して美雨は近藤さんの目の届く範囲に置いておくことにした。
他の隊士も何人かいるし、今回は早く終わりそうだから大丈夫だろう。
くそっ!読みが甘かったか。まさかこんなに武器を隠し持っているとは思わなかった。
「土方さん、読みが甘かったですねぃ。だが、この大将の部屋さえ鎮圧しや終わりですぜ」
突入だ!一斉に部屋に駆け込んだらその部屋はもぬけの殻だった。どういうことだ?たしかに人がいた形跡はある。逃げられたか?
「副長!あちらを見てください。煙が上がってます」
「土方さん、あれは近藤さんたちがいる所ですぜ」
その時、山崎が部屋に駆け込んできた。この部屋の隣に外へ繋がる抜け道を見つけたという。
くそっ、美雨。無事でいろよ。
『急いで止血します!こちらに運んでください。これは痛み止めです。少しは楽になると思いますから飲んでください』
「美雨ちゃん、ここは危険だ。早くどこかに避難するんだ」
『近藤さんや怪我人をおいて私だけ逃げることはできません。』
本当はここにいるのは怖い。だけどやっと自分の居場所を見つけることができたんだ。私だって新選組だ。みんなを信じてここで待つ。