向日葵 ※連載中
□第2章
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『改めまして、 美雨です。色々ご迷惑かけますがよろしくお願いします』
「しょうがねぇなぁ。副長の土方十四郎だ。んでこっちが局長の近藤勲。こいつが1番隊隊長の沖田総悟。なにか解らなぇことがあったら聞け」
不思議な女だ。なんていうか表情がないというか感情が読み取れねぇ。
とっつぁんがよこすくらいだから何か事件絡みか?
いやいやあの人がそんな重要なことするわけがねぇか。
「 美雨ちゃん?どんな事情があるか知らないけど、ご両親には連絡してるの?歳はいくつ?どこ出身?」
美雨に質問攻めしている近藤さん。あいつを預かることにまんざらでもない感じだな。
『…親はいません。私はずっと1人でいました。歳は19歳です』
「うぅ、19年間もずっと1人だったの?これからは俺たちが家族だからね!俺が君のお父さんだからね」
「近藤さんもういいだろ。ナナさんこいつ俺の隣の部屋に案内してやってくれ」
土方さんの隣り…
「こちらが部屋です。…一つ言っておきますけど、副長補佐だからって土方さんに迷惑のかかることだけはしないでくださいね?」
一瞬目が揺れたような気もしたが小さな声ではいとだけ言って襖を閉めた。
パタンーーー
「土方さんの迷惑になることだけはしないでくださいね?」
ここにも私の居場所はないか。いつも分かっていたことだけどあんなに歓迎してもらったのは初めてだったから。
でもいけない。心を許しては。
きっと此処を離れるときにつらくなる
明日は隊士の人達に紹介するって言ってたっけ。なるべく目立たないようにしてなくちゃ