銀色の森

□四天王 U
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入学式から一週間も経たない頃、学校中の男子が毎日校内を走り回っている。
理由は簡単。銀時を探すため。

入学式で殆どが心を奪われたあの綺麗な少女。
同い年の連中でも彼女を見たのはあの時が初めてだった。

もっと、話したい。

皆の意見が一致し、虱潰しに学校中の部屋という部屋を探し回っているのだ。


「今日も、煩いな……」
「ふむ…やはり銀時を出すべきではなかっただろうか…」
「今更過ぎたこと後悔したって仕方ねェだろ」
「そうじゃ。それに、銀時は絶対にワシらが守るき」

銀時を取り囲むように座っている高杉、桂、坂本が言った。
それにより、若干緊張気味だった銀時の肩の力が抜けた。
そして三人が大好きな笑顔を見せた。

「大好き…三人とも…」
「俺らはお前の笑顔を守るために居るんだからな」
「あぁ。……そろそろ時間だな」
「ちっくと待っとれ銀時。様子見てくるき」

頑丈に閉めてある生徒会室の鍵を一つずつ開けていく。
最後の一つを開けたと同時に、たくさんの人が入ってきた。


「!!!!貴様ら!!!」
「見つけたぞ……」
「こんなとこに隠れてらしたんですねィ」

「銀時ィ、離れんな」
「…………うん…」


小刻みに震えながら銀時は高杉の服の裾を握った。
高杉はそんな銀時を守るように後ろに隠す。
桂と坂本は若干殺気を放っている。

皆一斉に息を吸い込んだと思ったら大音量で、


「「「銀時さん!!俺と付き合ってください!!」」」


四人はポカンと彼らを見つめてしまった。
銀時は高杉の肩から除いている感じになっているので、かなり可愛い。
今度は一斉に鼻血を出した。

桂と坂本はそれを不思議に思い、後ろを見るとかなり可愛い銀時を見つけてしまった。

鼻血を出すまではいかないが、頬を染める。


「?!!ちょ、どうしたの?!」
「……ヅラァ…写メ撮って送れ」
「ヅラじゃない!桂だ!!ふん、仕方ない…」
「いや〜、銀時可愛いぜよ〜あっはっはっは!!」


写真を撮った桂が高杉の携帯に送信する。
送られてきたそれを見た高杉と銀時。

なるほど。高杉からしてもかなり可愛いアングルだ。

銀時はこれのどこが可愛いのかさっぱり分かっていないが。


「まぁ、とりあえずそれは置いておこう。こやつ等どうする」
「とりあえず、床掃除してもらおうよ」
「それもあるが……」
「ワシらの場所、バレてもーたがよ」
「フン…なら、こうするまでだ」

バッと高杉が紙を桂と坂本に見せ付けた。

内容を読んだ二人はなるほどと頷いた。

「何?どうするの?」
「生徒どもがお前を探し回るのを止めさせればいい。つまりは校則を変えんだよ」
「こやつ等は知っているのか知らんが、坂本はこの学校に援助しているだろう?」
「じゃけん、校則もワシは変えることができるんじゃ」

そうだったんだ。と銀時は頷いた。

あぁ、なるほど。だから自分たちは授業に受けてなくても進級出来てるわけだ。
まぁ、真面目な桂は殆どの授業に出ているが。


「それにしても、銀時、よかったではないか」
「? 何が?」
「少なくとも、ここで伸びている奴らには受け入れてもらっている」
「そりゃーえいが、気に食わんのう」
「銀がこんな奴らに靡くわけねェだろ」

「……でもやっぱり、あんたらが一番だわ」



照れながら銀時は微笑んだ。




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