銀の森

□願いが叶うなら……
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「わ〜!銀さん、雪降ってますよ!!ホワイトクリスマスですね!!」
「銀ちゃん!!私らちょっと遊んで来るヨ!!定春〜新八〜!!行くアル!!」
「えっ僕も?!すいません銀さん、ちょっと行ってきます」

「うん、いっといで〜どうせ今日も何も無いよ」


そう言って手を振れば二人と一匹は元気良く出て行った。
そしてちらりと外を見る。
確かにちらりちらりと雪が降っていた。


「雪……クリスマスかぁ…懐かしいな…」





―――――

「む、雪…か。通りで寒いはずだな」
『桂さん、もう少し厚着しましょう』
「あぁ、ありがとうエリザベス。…確か今日はクリスマスだったか」


そうですよ。とエリザベスのプラカードが上がる。
読んでいた書を置き、庭に出てみる。
そういえば、昔先生たちとあることをしたなと思い出す。


「随分、懐かしい思い出を……」




―――――

「ノーセンキューーーー!!!」
「ぐぼはあああああ!!!」


毎度のこと地球にやって来てスナックすまいるのキャバ嬢に店を追い出される。
随分慣れたものだ。
自分はまだ銀時一筋なはずなのだが、如何せん女好きの性分で毎回来てしまう。

あはははと声を出していつもの様に笑ってみる。
落ちたグラサンをかけ直し、ふと上を見上げるとちらりちらりと白いものが降っていた。


「そういやー、今日はクリスマスぜよ…まっこと懐かしいきに…」




―――――

「……雪、かァ?」

甲板に出て煙管を吹かしていると白いものがふわふわ落ちてきた。
あいつを思い出させる。

瞼を閉じれば昔の幼いあいつが笑顔で手を振っている。
自分はいつもあの手を取ろうとしていたんだった。

再び手を伸ばそうとしたとき、来島に呼ばれた。


「晋助様ぁぁあ!!お風邪をひいてしまうっスよ!!コレ着て下さいっス!!」
「あァ……」
「あ、雪降ってんスか!!今年はホワイトクリスマスっスね!!」
「……今日はクリスマスだったか…」

だから余計にあいつのことを思い出すんだな…

懐かしい、あの日の事も…



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