妖精の森
□プレゼント
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「なぁなぁ、ルーシィって好きな奴から何貰ったら嬉しい?」
ギルドのカウンターで飲み物を貰って飲んでいたらナツが話しかけてきた。
どうしてそんなことを訊くのか一瞬不思議だったけど、今日の日付を思い出してああ、と納得した。
「グレイにプレゼントでもあげるの?」
「なっ///〜〜っもういいっミラに聞く!!」
「ちょっ、待ちなさいよ!…私は好きな人からだったら何を貰っても嬉しいわよ?」
「……何でも?」
顔を真っ赤にしてそう聞いてくるナツはかなり可愛かった。
そんな顔してキスでもしてあげれば誰でもイチコロよ…あ。
「ナツはお金とか無くって悩んでるの?」
「な、何で分かるんだ?!」
「ふふん。私をなめないでよね。いいわ。だったらお金をかけずにグレイがサイッコーに悦ぶプレゼント教えてあげる♪」
そう言ってあげるとナツはかなりの期待した眼差しで私を見ている。
ふふふ。グレイの反応が楽しみだわ。
ルーシィからグレイが最高に喜ぶ(らしい)プレゼントを教えてもらった。
しかもお金がかからない。
何か照れくさいけどやるしかねーよな。
そう思いつつ先程からグレイを探しているのだがギルドには居ないらしい。
まだ家なのだろうか?珍しい。
待っていたら来るだろうから今日はクエストには行かないことにする。
折角のクリスマスだしな。
自然と口元が上がっていることに気がつかず、カウンターでグレイを待っていると後ろから急に抱きつかれた。
この嗅ぎ慣れた匂い……
「グレイ!!」
「おーおはようナツ。あ〜可愛い顔しながら座ってんじゃねーよ。誰かに襲われたらどうすんだ」
「可愛くねーし襲われたら返り討ちにしてやるよ。なぁなぁ!!俺からプレゼントあるんだ!!」
そう言うとナツから?とグレイは目を丸くした。
何だよ。そんなに珍しいのか?
「いや、まさかナツから貰えるとか…思わなかったから…(やべ、マジ嬉しい)…で?何くれるんだ?」
「ん、おお。えっと、ちょ、まず座って。目ぇつぶれ」
「(……いや、まさかな〜俺ナツからんなもん貰ったら押さえ切れねーし……)…分かった」
グレイは何か複雑そうな顔してたけど、まぁ気にしない。
俺の隣に腰を下ろしてゆっくりと目を瞑った。
一応ちゃんと瞑ってるか確認するため、目の前で手を振る。
何も反応がないってことはきっちり目瞑ってるな。
よし。いくぜ!!
ゆっくりと顔を近づけ、グレイの両頬に手を添える。
ピクリとグレイが肩を揺らしたが、そんなのお構いなし。
そのままゆっくりとグレイの唇に俺の唇を重ねた。
俺からのプレゼントは『(ルーシィ曰く)恋人からの甘ーいキス』
グレイ喜んでくれるかな……
一分くらい経った頃、漸く俺はグレイから顔を離した。
多分顔は真っ赤だと思う。
「お、俺からのプレゼント///こ、こんなんしか贈れねぇえっ?!!」
説明しようとか思ってたらグレイに思い切り抱きつかれた。
し、しかも力強っ!!
「ぐ、グレ、」
「誰がこんなん教えたんだ?」
やっぱり駄目だったのかな?
ルーシィの嘘つき……
「ルーシィ…ナツからキスしてあげたら一週間悦んでると思うわよって…ごめん。俺金無くって…グレイが喜ぶって言ったから…」
「……っっちくしょぉお!!可愛すぎんだろお前!!最高だよ!!嬉しすぎて言葉も出ねーよ!!」
「ほ、本当か?!!えへへ…良かった。来年はちゃんとしたの贈るからな!!」
「ん〜、あ、そうそう。俺からもプレゼント。来年はコレ着て俺ん家に来いよ」
「何だコレ?……さ、サンタ?」
「女の子バージョン♪ナツこれ絶対似合う♪」
「……グレイ喜ぶ?」
「悦ぶ悦ぶ♪(ナツがコレ着て家に来てくれたら一日中離さないけどな)」
「……分かった。…今年は着なくていいのか?」
「是非着て俺の家に直行しましょう」
その後、サンタコスをしたナツがグレイの家にお持ち帰りされるまで後五分。
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女体化してるのかしてないのか分からないけど一応ナツは女の子設定です。。
目印にご連絡下さればお持ち帰り可です。