ライフ~彼らと過ごした日々~

□寮生活
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皆で寮に戻り、侑李を部屋のベッドに寝かせた薮。

宏太「・・・」

『薮くん、』

宏太「かれんか、」

『侑李、大丈夫かな?』

宏太「何が?」

『あたしたちのこと、信じてくれてるかな?』

宏太「・・・不安定にならなきゃいいけど、」

『あの、侑李のこともっと知りたい!』

宏太「え?」

『だから、教えて下さい!昔の侑李のこと!』

あたしは頭を下げた。

宏太「・・・わかったよ、一旦部屋でようか、知念起きちゃうし」

『はい、』

バタンッ

あたしたちは部屋をでて二人でリビングにいた。

宏太「当初の知念は暗くて誰一人目もあわせずにいた。」

『・・・』

宏太「まだ、小学生のころだったかな・・・知念は話してもくれなかったんだ。いや、話せないでいた。」

『え?』

宏太「父親が母親をころしたのを見ちまったんだ。そして、知念は逃げようとしたけど見つかって殺されかけた。」

『っ、』

宏太「あり得ねぇよな・・・俺だったら耐えきれねぇ。それからだ、声がでなくなったの・・・」

『女も嫌いだったんだよね?母親からも虐待受けてたんだよね?』

宏太「ああ、母親からも虐待を受けてた。当初の知念
はアザだらけで本当に驚いた。」

『・・・』

宏太「今日だってまた、殴られて・・・俺、怖いんだ、」

『薮くん?』

宏太「もし、また知念が声でなくなったりしたらと思うと・・・」

『大丈夫だよ!侑李なら』

宏太「っ、」

『あたし、侑李のとこ行ってくる!』

宏太「ちょ、かれん!?」

バタンッ

宏太「ったく、」

侑李said

侑李「ん・・・ここは・・・」

あ、気絶したんだっけ・・・
また殺されかけた・・・

侑李「っ、」

僕は殴られたときを思い出した。
辛くて怖くて頭を抱えた。

『侑李!』

バタンッ

侑李「かれん!?」

『大丈夫?!』

侑李「・・・」

『侑李?』

かれんは手を差し出したが、

バシッ

『っ、』

侑李「・・・しばらく、一人にさせて。」

『でもっ!』

侑李「お前に僕の苦しみが分かるのかよ!?」

『っ!?』

かれんは手を震わせた

侑李「ごめん・・・いまは一人に、させてくれ。」

『侑李は、仲間を信じれ、ないの?』

侑李「仲間?そんなの知らない、僕はずっと一人だし。」

『そんなことない!薮くんだっ
て、裕翔や涼介、大貴だっているじゃん!』

侑李「うるさい!かれんになにが分かるんだよ!」

『っ、こんなのいつもの侑李じゃない!』

バタンッ

侑李「・・・っくしょ!」

ドカッ
侑李は拳で布団を叩いた。

宏太「かれん?」

『薮、くんっ・・・』

宏太「大丈夫、いつもの知念に戻るさ。」

『っ、うん・・・っく』

あたしは薮くんに抱かれながら静かに泣いた。

宏太「・・・」
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