TOA

□『素直に』 PJ
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「…またお見かけしたら仕事に戻るよう伝えておく」

執務室に訪れた兵士にそう告げるとお願いしますと一礼し部屋をあとにした

ジェイドは兵士が部屋から遠ざかるのを確認し溜め息を洩らし


「…‥陛下、仕事に戻られたらどうですか?」

書類へと目線を戻しつつたった今兵士が探していた人物に声をかけた

「なんだジェイド、気づいてたのか?」

床板を上げ隠し通路から出てきたのはマルクト帝国皇帝陛下ピオニー・ウパラ・マルクト九世である。

「…私も仕事が立て込んでいるんですから構っている暇なんてありませんよ?」

「仕事をサボってでもいたのか?」

ピオニーは近くにあったソファーに腰をかけそう聞いてくる

「陛下じゃあるまいしそんなことしていませんよ。大体どこかの誰かが仕事をせずに逃げ回るから私の所に回ってくるんじゃないですか」

そう言ってピオニーに目線を送るが

「ほぉ、兵士の中にそんな奴がいるんだなぁ」

「…‥はぁ…もういいです。用がないならさっさと仕事に戻ってください」

ジェイドはまた溜め息を吐き書類へと目線を戻した

「つれねぇな、折角会いに来たっていうのに」

「来なくて結構です」

「そういって実は嬉しいんだろ?」

ピオニーの言葉に少し反応を見せうつむく

「お、図星か?なら素直にそういえば…」

「‥…荒れ狂う流れよ…」

ジェイドの周りに音素が集まっていることにピオニーは気づき顔をひきつらせ後ずさった

「ちょっ、まてジェイド?!」

「…スプラッシュ。外に出いって頭でも冷やして下さい。」

「うわぁああッ!」

ピオニーは水の流れに押し流され執務室から姿を消した

「はぁ…」

また溜め息を吐き気開いた扉を閉める

そして

「…どうでもいいことは、勘がいいんですから…困ったものですねぇ」

困ったように、それでも嬉しそうな表情で小さく呟き、まだ途中の仕事に戻るジェイドだった。


END

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