白桃の籠 〜ハクトウノカゴ〜
□桜色の日常 〜サクライロノニチジョウ〜
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ここは天界。
淡いピンク色で、少しウェーブした髪の毛をもつ美しい女性が、たくさんの水晶の球に囲まれて立っている。三十代前半くらいだろうか。
彼女を囲む水晶たちには、彼女と同じ色の髪の毛を二つのおだんごに結った少女が映っている。
14、5くらいだろうか、友人と三人で楽しそうに弁当を食べている。
良かった、今日も元気で。
ドアの開く音がして
「失礼いたします
おや…娘さんですか」
背後から仙人のような格好の男が入ってきた。
女性は、振り向かずに答える。
「……ええ、友達も早速できたようで良かったわ」
「それはひと安心ですな」
彼女が後ろを向き、男をまっすぐみて訊いた。
「ところで…この子についての調査は進んでる?」
彼女はそういうと、水晶の中を指で示した。
娘の右隣に座る、長い黒髪をもつ少女を。
「ええ、その件で伺ったのですが…
背中に、刺青が有りました
しかも…こんなに大きいものが
因みに、彼女のお姉さん―一年半程前に来た子です、その子にも同じものがありました」
「そう……」
ゴメンね美貴、また貴女に淋しい思いをさせちゃうかもしれないわ…
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第八章へ続く