白桃の籠 〜ハクトウノカゴ〜
□桃色の桜放課後編
3ページ/6ページ
「今から空ちゃんが一年生にジャージー配るから!
空ちゃんよろしく!!」
『はい!』
ここからのシーンは、漫画やアニメではやらなかったよね…ウホっ、ラッキー!!
「よ、空」
『よー、かがみん』
「いい加減かがみんってよぶのやめろ」
『やだ』
「はぁ!?」
「こんにちは空さん」
『やぁ黒子君!!今日も愛らしいね!!!!』
「…………???」
そんな感じでジャージーを配り終え、監督の隣に駆け寄る。
「これから一年生はこっち、二年生は反対側に並んで、ドリブルをやってくれる?
空ちゃんは、皆を見て意見を言ってくれるかな」
『ラジャーでーす!!』
「それじゃ、スタート!!」
ダンダンダンダン……
小気味良い音が第一体育館に響く。
「どう思う?」
と隣に立っている監督に訊かれる。
『えーと、……あ、まずは、あの子の手が十分ボールに着いていませんね、一瞬ですが五ミリ程真上からズレましたし…ほら、転がってっちゃった
最初はちょっとしたズレでも、重ねると失敗しますからね…
あと、その隣の子は肩甲骨がかたいですね、入部してくれたら、準備体操のときにじっくり伸ばして軟らかくした方がよさそうですね
あとは、黒子君ヘタッピだなぁ、ちょっとはパス以外も上達しろよ!!と言いたくなりますね
ねー、黒子っち!!!!!!』
とステージの一番近くで練習していた黒子君に言うと
「黙って聞いていれば…空さん、結構辛辣ですね」
「きゃあああ!!!!!!!!いたのっっ!!!?」
「ずっとここにいました」
「なんで空ちゃんには見えるのに私達には見えないのよ……」
『無理もないですよ、影薄いですし。見えない方が普通みたいです
私にはそっちの方が不思議ですけど。』
ホント、何故なのかな、私だけにはしっかり見える。愛の力ってやつ!!!!!?なんてね。
ひょっとして私、ミスディレきかないんじゃない!?
天才だったりして!!
「あのさ、空ちゃん…
あなた、天才なんじゃないの?」
『ブーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!ガッハゴホゲホォ!!!!!!』
「なっ、何どうしたの!?大丈夫?」
『し、心配ご無用でござる…』
ビックリした…冗談で、天才かも、なんて思ってたら本気で言われた…
『なんで…ですか…?』
「だって、普通の人はパッと見ただけで肩甲骨がかたいなんて気が付かないわよ」
『やだなぁ監督ー、あなただってパッと見ただけで身体能力数値でわかっちゃうじゃないすか!!』