白桃の籠 〜ハクトウノカゴ〜

□桃色の桜放課後編
2ページ/6ページ




監督が一年生達を横一列に並べ始めた。

いつも疑問に思うんだけど、何故皆には黒子君は見えにくいのだろうか。別段、影が薄いようには思えないんだけど…


私は、近くに置いてあった段ボール箱からクリップボードを取り出して、ルーズリーフを一枚挟む。監督には申し訳ないけど、今は私の出番はなさそうなので、他のことさせていただきます!







村井瑛。しっかりしていて、いつも冷静。 長身、骨太。中学では美術部で、運動をやる機会は体育の授業のみだった。でも、そのぶん無駄な筋肉がついていないから、伸びしろがある。

水谷まゆ。小柄(約145a?)。普段は無駄な動きがやたらと多く騒がしいが、好きなことにはしこたま没頭する(例えばアイドルの話とか)。パッと見、俊敏な動きが得意そう(あとで確認)。

甲斐里奈、身長は平均的。のんびり、おっとりとした性格。ドジ。この子には何が出来るだろ…まぁ、焦ることはない、のんびり見付けていきましょう。

緒方萌葉。まゆ程ではないが、小柄。天然(まゆ談)。この子も、これから何が得意か見付けていこう。

田辺友。 元帝光中バスケットボール部二軍マネージャー。経験者ではないが、バスケに対する情熱は誰にも負けない(本人談)。

牧野美貴。 唯一の経験者。不思議ちゃん。特に目立つわけでもなく、平凡。中学では、ずっとベンチだったらしい。彼女の学校自体は結構強かったらしく、友が学校名を聞いて驚いていた。練習の仕方についてはこの子に訊きましょう。






「空ちゃーん!ジャージー持ってきてくれる?」

『あ、はい!』

監督に呼ばれて、クリップボードを置き座っていたステージから飛び降りる。

備品倉庫からジャージーの籠を素早く抜き取って、走って戻る。我ながら速い。

「速かったわね、ありがとう」

監督に誉められた……!嬉しい!!我ながら単純!!

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ