白桃の籠 〜ハクトウノカゴ〜

□水色の髪 〜ミズイロノカミ〜
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「あのさ、お前荷物は?」

『ああ、近いうちに届くよ。たぶん』

でも、いつだろう。





そうだ、神様って呼んだら来てくれるのかな。


『あのさ、ちょっとお手洗い借りていい?』


「お前な、これからここ住むんだろ?




 ここはお前ん家なんだよ」


なんだか嬉しくなって、ありがとう、と言ったら、そっぽを向いて、

「おう」

と返された。

『じゃあ、トイレいってくるね』








トイレのドアを閉めて鍵をかけ、

『神様ー』
と試しに呼んでみたら、


「はいよ」

ホントに出てきた。


「なんだい、こんなところに呼んで、狭いじゃないか

 あと、神様ではなく、お爺ちゃんでいいんだぞ」

『それじゃなんだか失礼だし、
 私の祖父みたいじゃないですか』


「漢字が違うだろう」

『私バカなんで知らないです』

本当は、入院しててなかなか学校に行けなかったから知らないだけだけど。


「で、なんのようですか。」

『ああ、そうだ、荷物はいつ来るんですか?』

「明日の朝、起きる頃には全部置いてありますよ。」

『あ、そうなんですか、どうもありがとうございます』

私はニコニコ笑ってお辞儀をした。

「いや、とんでもないよ。いつでも呼んでくれ。



 でも、自分で解決しなければならない問題が起きたら…

 助けには行きませんからね、いくら呼ばれても。


 それじゃ空殿、またね」

『はい、ありがとうございました』


そういうとお爺ちゃんは消えた。


よし、出よう。
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