白桃の籠 〜ハクトウノカゴ〜
□純白の壁〜ジュンパクノカベ〜
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たった今、私は死んだはずだ。
なのになんでこんなとこに居んの?
なんで身体があんの?
助けてー姉さんー!!
私は、見知らぬ老人と知らない部屋にパニックを起こしていた。
だって、死ねば魂だけが天国が地獄に行くんだと思っていたから。
それでもって、姉さんに会えると思ってたから。
「目が覚めましたか、桃花殿。」
何故私の名前を知っている。
『誰…』
「心配しなさんな、取って食ったりはしませんよ」
と老人は言い、ほ、ほ、ほ、と笑う。
そして急に真顔になった。
「貴女には、交通事故で亡くなったお姉さんがいたね。」
身体が強ばる。
『なんで知って、』
「あの人もここに来たからです、これからのことについて説明を受けるために。」
肩の力が少し抜ける。
「いいですか、よく聞いてください、大切なことを話しますから」
と、少し警戒心が薄れた私に、老人はやさしく言った。