白桃の籠 〜ハクトウノカゴ〜
□桜色の日常 〜サクライロノニチジョウ〜
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『きみのひーかーりがつよいほどー ぼくはじーゆーうになれるー♪』
私が、黒子っちのキャラソン「君が光であるために」を歌っていると
「どうしたんだ、歌なんか歌って」
と、まゆが尋ねてくる。
『いやー、今日はご機嫌なのさ』
とニコニコしながら答える。
すると、横で本を読んでいた瑛が
「というかさ、なんでまゆが居るの。あんたD組でしょ」
と口をはさんだ。
「なんだよー瑛、冷たいなぁ〜、友達の教室に遊びに行くなんて普通だろ?」
「いや、そもそもその普通っていうのは何が基準なの」
『まーまー、そんな堅いこと言わずに!』
ここは1-Bの教室。ただいまの時刻は午前7時。私と瑛は、5分程前からこの教室に来ている。
今日は、リコ監督に本入部届を貰うため、早めに学校に来ました(彼女はいつもこの時刻には学校にいるらしい)。ちなみに普段の私はチャイムの鳴る直前、7時28分に来ている。ちょうど2分後にチャイムが鳴る計算だ。
え、遅い?だってさ、一秒でも長く寝てたいじゃん。
瑛とは家が同じ方向が近いから、登校中に偶然会って、そのまま一緒に学校まで来た。彼女の家も歩きで来られるほど近いらしい。
ついでに言っておくと、まゆは時間を一時間間違えて早く来てしまい、暇にしていただけである(つまりいつも遅刻している)。
そろそろ、監督に本入部届の件について話にいこうかな、と考えて席を立つ。
『ちょっと用事あるから行ってくる、すぐ帰ってくるね』
「え、どこに?」
『リコ監督のとこ』
「おー、わかったー」
「了解、いってらっしゃい」