白桃の籠 〜ハクトウノカゴ〜
□水色の髪 黒子side
1ページ/3ページ
今日は誠凛高校に願書を出す日です。
僕は朝早く起きて朝食を食べ、6時半に家を出た。
歩きながら考え事(内容:『今日はどのタイミングでバニラシェイクを飲みましょう…やっぱりおやつの時間がいいですかね…』)をしていると、
「ぶはっ」
と後ろから声がした、と思ったら
ドォォンガラガラガッシャアアアン
と派手な音がしたので、驚いて振り向くと。
女の子が、倒れた空のゴミ箱に頭を突っ込んだ状態で、にやけながら、
鼻血をだらだら流していた。
『大丈夫ですか!?』
慌てて駆け寄ると、彼女はむくりと起き上がり、
「大丈夫です!心配は要りません!!
それより、ティッシュ持ってませんか?」
『持ってはいますが、鼻血を止めるならティッシュじゃないほうがいいですよ?』
「いえ、鼻血はもう止まったんで大丈夫です、ただ、血を拭きたいので…」
『そうですか、良かった。どうぞ』
「ありがとうございます」
彼女は、僕の渡したティッシュを受け取り、ごしごしと血を拭く。
よくみると、とても可愛い顔をした娘だった。
黒髪に黒い眼、真っ白な肌に華奢な体。
そして、髪の毛の異常な長さ。
なんと腰下まである。
それに、こんなに伸ばしているのに見ていて全く不快感のない、綺麗な髪だった。