漆黒の桜 〜シッコクノオウ〜

□紫の眼 〜ムラサキノメ〜
1ページ/3ページ




万事屋で歓迎を受けて、さんざん皆で騒いだ後、私はソファーを一つ借りて、眠りについた。





次の朝。

私は五時に起き、届いた荷物を開けていた。



――もう使うこともないから、あげるね。お姉ちゃんなら似合うよ! ――


元気かな、病状が悪化したりしてないかな…



妹に昔もらった箱を取り出す。


その中のものを目にはめる。




神楽ちゃんにゆってもらった髪を残念だけど一旦といて、頭の上の方で一つにくくる。



鏡を見て確かめると、紫色の目の自分が立っていた。

なかなか様になっている。これなら男といっても不思議じゃない。

『よし。』





そうっと階段を降りて外に出て、お登勢さんの店の戸をノックする。



「なんだい、まだ店は開いてないよ…!!??

 そのチャイナ服は、紅ちゃんかい!?」


『ええ、お願いがあるんですけど、男物の着物ってありますか?』


「ウーン…あ、だいぶ前にお客さんが忘れてった上着ならあるよ」

『じゃあそれ貸してください』


お登勢さんが はいよ、と言って奥に引っ込む。



しばらくしてから、着物を手に戻ってきた。


受け取って、チャイナ服の上を脱ぎ、着物を羽織る。チャイナはお登勢さんが預かってくれた。



『ありがとうございます、助かります

 この事は三人には言わないで下さい。』


「わかった、いってらっしゃい」

『いってきます』



だいぶ太陽が昇ってきた。




はやく行こう、真選組屯所へ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ