漆黒の桜 〜シッコクノオウ〜
□碧眼の夜兎 沖田総悟side
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さて、今日もサボりますかねィ。
今朝は土方コノヤローをバズーカで一発撃った後だったから、かなり上機嫌だった。
何時もは縁側に座っているだけだけど、今日は少し表に出ようか、と思い、飴をくわえて屯所の門を出る。
そこら辺をぶらついていたら、
「あの〜!!」
と元気な声が後ろから聞こえた。
『ん?』
振り向くと、紫色の傘をさした女の子が立っていた。
碧眼に、透き通るような白い肌。胸の辺りまで垂らした黒髪が風に揺れている。
夜兎族か。
『何かようですかィ?』
そう問うと、何故か彼女は目を見開いたまま固まってしまった。
「……沖、田…さん…」
そう動く唇に驚いた。
『知ってるんですかィ、もしかしてあの万事屋のチャイナの知り合いですかィ?』
万事屋、という言葉に、彼女はピクッと反応すると、
「あ、あのっ、そ、その万事屋銀ちゃんのことなんですけど、どっ、どう歩けば行けますかっ!!」
『ああ、ここから真っ直ぐいってですねィ…』
俺は、丁寧に教えてやった。
「ありがとうございましたっ沖田さん!!その通り行ってみます!!」
彼女はぴょこんと頭を下げると、駆け出そうとした。
『待ちなせィ。』
「へ?」
『名前は、』
「紅と言います!!」
では、と言い、彼女は駆け出した。
紅。
綺麗な名前でさァ。
☆☆☆☆☆☆
第四章に続く
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