捧げ物
□雨のち氷
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「これは………!?」
朝早くギルドに来たジュビアは、呆然として呟いた。
「あ、ジュビア…」
ルーシィが気がついてこちらにやってくる。
「ルーシィ、これはどういうこと?ギルドが………」
全壊していた。
「それがね……」
「昨日からの大雨のせいでギルドの下のジーパンが緩んで壊れちまったそうなんだ。」
「ナツ、ジーパンじゃなくて地盤よ!!」
大雨のせいで………!?
ジュビアの鼓動は激しくなっていた。
大雨の……
水の……
ジュビアのせいで……!
「あ、あ、あ……」
「ジュビア?」
ジュビアの様子がおかしいことに気付いたルーシィが、心配そうに声をかける。
「ぎ、ギルドが、ジュビアのせいで……」
「ジュビアのせいな訳ねーだろ?」
「そうよ、大体この地方は梅雨の時期には毎年大雨がふるのよ?ジュビアのせいなんかじゃないって!」
俯いているジュビアを励ますナツとルーシィ。
そこへ、グレイがやってきた。
グレイは下を向いているジュビアを見て、言った。
「どーすんだよ、ジュビア。ジュビアのせいでギルド壊れちまったぞ?」
グレイのその声はかなり冗談めいたものだったが、今のジュビアには冗談に聞こえなかった。
グレイの言葉はジュビアに深く突き刺さった。