長い書物庫

□<序章> 青の陰謀
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そこは、青だった。




青で埋め尽くされていた。










正確に言えば、青い「水」で覆われている。




どこまでも深く、深く、底のない青さ。



それは、まるで暗闇の底に眠る竜を隠しているかのような、静かな気迫に満ちていた。


微かに漏れ出る、制御しきれない殺気がそれを物語っている。






そこは深海かと思うほどに海の底に近い色をした、





部屋だった。






中央に男が立っていた。











ポツリと言葉をもらした。























「人魚姫は妖精に囚われている、か……」











男は身を翻し、部屋をでた。







後に残ったのは、青と、静寂と、グラスに入った水だった。

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