宝箱

□大事な人
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大事な人  グレイ編






毎日のように付きまとう水色に俺は少々困っていた。
べたべたされるし、常に俺に感情をぶつけてくる、どこにいっても行動を見られているようで落ち着かない。





「どうしたの?グレイ、元気ないじゃん」



「そうか?ロキの気のせいじゃねえか?」




正直、ジュビアの存在がめんどくさいと感じてしまう時がある。
そんな時のジュビアは決まって泣き顔を見せる。




「何かあったんじゃないか?」




「あったといえば、昨日のジュビアが少しおかしかったな」




「ジュビアがおかしいのはいつものことじゃないか」





「それが、昨日のジュビアは俺が適当にあしらっても泣かなかったんだ」







それどころか、にっこりと笑ってあっさりその場を去って行った。
その後のジュビアはギルドの仲間たちと楽しそうに話しているばかりで、こっちには一切近づいて来なかった。





俺はその時の柔らかな笑顔が頭から離れない。





「なあ、ジュビアは怒っていると思うか?」



「僕はそうは思わないよ?なんか今日のジュビア楽しそうにしてるもん」





そうだよな。
昨日の笑顔は俺への当てつけではなく、心の底からの笑顔だったように思う。
でも、なんで笑ったんだ?

俺は、ジュビアを笑顔にさせるような行動は取っていない。




「ねえ、あれ放っておいていいの?いつものグレイならすっ飛んで行って間に割って入るのに」





「リオンとジュビアのことか?」





二人は俺の前で楽しそうに会話を楽しんでいる。
そういえば、昨日も俺の後ろにリオンがいたな。
もしかして、昨日の笑顔はリオンに向けられたもの・・・・・・・





俺の足は勝手にジュビアの方へ歩き出していた。






ジュビア編に続く・・・・
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