アイシールド21

□◆
1ページ/1ページ





「ペットがほしいね」

「ペット?」

「そう、ペット」


ベッドに横になって雑誌をペラペラと捲るユリア。

部屋に入ってきたばかりの俺は、運んできたコーヒーカップの一つをとりあえず側のテーブルに置く。


「ユリアの分ここに置いておくよ。砂糖は一つでよかったよね?」

「あ、ありがとう」


にこりと顔をこっちに向けて微笑む。


しかし、その視線はすぐに雑誌に向けられた。



俺はそんなユリアの側に腰掛けて、コーヒーを一口啜った。


「ペットか〜」

「私としては、仔犬か仔猫がいいなぁ」

「うーん…でもさー」

「ん?」

「ペット…飼わなくてもいいんじゃない?」

「なんで?」



ユリアを見ると、頭を上げて俺を上目遣いで見つめていた。



「んー…世話とか大変だし」

「ちゃんと私世話するよ!」

「んー…それにさ…」

「何?」


ちょっとムキになってるユリアの頭に手を差し伸べ、優しく撫でた。


「ユリア、そのペットに夢中になっちゃいそうだから」


「……それって、ヤキモチ?」


「んー、まぁ、ね」


ちょっと赤くなった顔でこっちに見つめるユリアの頭を、笑いながらぽんぽんと優しく撫でて手を離すと、

ユリアは、バフッと枕に勢いよく顔を埋めた。



「ユリア、怒った?」

「春のバカ…」


「ごめん」


「別に飼うこと自体は反対はしてないんだよ。ユリアが飼いたいなら、今からペットショップに行こうか」と告げると、


「違う、そうじゃなくて」


相変わらず、顔を埋めたままそう反論された。



「さらりとそんなこと言うなんて…反則だよ…」



顔は見えないけど、耳が赤く染まってるのが見えたから、きっとユリアは照れてるようだ。


もちろん、怒ってないことはわかってたんだけど。



「ユリア」


俺はカップをテーブルに置いて、ユリアの方を向いて微笑む。


ユリアがゆっくりと顔を上げて、こっちをちらりと見る。



赤い頬に、軽く潤んだ瞳は、


まるで小さな仔犬のようで、


ユリアの方が仔犬や仔猫より数十倍も可愛いと、


俺は思いながら、両手をユリアに差し出して、


そして言うんだ





こっちにおいで

ペットよりユリアの方がずっと可愛いよ



************


桜庭くんは優しく、彼女にゾッコンだと良い。

髭は剃っててほしい。

髪は…個人的に、長い時の方が似合ってた気もするけど、ボーズも男らしくて良い。

でも、髭はちょっと…(しつこい)


080205



Back

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ