アイシールド21
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完璧な人間はいない。
でも完璧に近い人間はいる。
そんな人間に自分が釣り合うはずないのだ。
「つまり、ユリアは俺のことを完璧だと思っていると?」
そういうことでいいのかな?と付け加えながら首をかしげるこの男、大和猛が私は苦手だ。
私にないモノをたくさん持っているのに、どうして私なんかにかまうのだろう。
「…そうだよ。なので、もう私にかまわないでもらえるかな?」
呆れた、いや、冷めた視線を向ければ、熱い視線を返されて思わず目線をずらした。
この人は常に真っ直ぐだ。
「俺はユリアと親しくなりたいんだ。それこそ恋人以上に」
「ちょっ…そこは友達からでしょ?恋人以上ってなに…」
「俺はユリアと結婚したいと思っているからね」
「えっ、まだ友達以上でもないのに!?…なんでそんなに私にかまうの…」
凡人には凡人の人生があるんだよ。
そう呟けば、彼は笑って言うのだ。
「凡人かどうかを決めるかは君次第だ。俺はユリアが凡人に見えたことはないよ」
その言葉に胸が詰まる。
この人は、言葉にも想いにも自信があふれている。
そんな言葉が凡人には重いのだ。
「…私、特技とか自慢できることなんてないんだけど」
「ん?君は俺を魅了した。それって天才的な特技だと思わないか?」
「いや、思わないよ」
即答したら彼はまた笑った。
「そうやって強気なところも大好きだよ」
その男、有言実行につき
「今すぐは無理でも、いつかユリアを夢中にさせてみせるさ!」
その『いつか』が訪れるのは、きっと確実なのだろう。
そんな未来も悪くないかもと思えた秋の午後。
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アイシ読み直したら大和ってすごく魅力的だなと思いました。(作文?)
15/11/4
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