□軌道二十一 帰郷!!
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木ノ葉の里を見下ろす影が一つ。


『懐かしいな。
二年半かかっちゃったからね。』


彼女の名はアズサ。
この里の忍である。


『さーってと。
久々に感傷に浸ってるヒマはないよね。』


アズサは愛銃を取り出す。


『ナルトが帰ってくるって聞いたから、帰ってきたんだけど……。
んー、カカシせんせーでも呼びつけるかな。』


愛銃を真上に向け、引き金を引く。


「ちょっと、ちょっと。
相変わらず、物騒な呼び方しないでよ。」


『ごめん、ごめん。
まあ、そういうことだよ。』


「そういうことって、何よ。」


『とにかく、ただいま。
せんせー。』


「おかえり。」


アズサはカカシの横に座る。


『まさか、ナルトより早く帰ってきちゃうとは……。』


「まあ、そんなに変わらなかったみたいだけどね。」


カカシが指差す先には、珍しい金髪。


『まっ……まさかっ!』


「でかくなったな…ナルト。」


『久しぶりっ!
ナルト!!』


アズサはナルトに抱きつく。


『わーっ、身長伸びたー。
爪先立ちしないと届かないよー。』


「よっ!」


「アズサにカカシ先生!!
ってか、苦しいってばよ。アズサ。」


『ごめん、ごめん。』


アズサの顔を改めて見たナルトは、頬を赤く染める。


「アズサ、スッゲー美人になったってばよ。」


『そんなことないよ。』


「それに比べて…先生ってば、ぜんぜん変わってねーってばよ。」


ナルトは、カカシの隣に降りてくる。


「あ!そうだ!
あのさ!あのさ!
カカシ先生にプレゼントがあんだってばよ。」


「なにィ!
お前…こ…これは…。」


「これってば、イチャイチャシリーズ三年ぶりの最新作!
すっげーつまんねーけど。
先生、好きなんだろ!」


ナルトが差し出したイチャイチャタクティクスに、カカシは目を輝かせる。


『そういう所も、変わってないねー。
懐かしいや。』


アズサは、ナルトとカカシを微笑ましく見つめた。


――――――――――――


「よっしゃー!
一楽ラーメン直行だってばよ!」


『私、醤油ね。』


「味噌にしよっかな?
とんこつにしよっかな?
ああーっ、塩って手もあるってばよ!」


『あはははは。
別に、今日食べなくても、明日からは毎日食べれるよ。』


二人が、視線を前に戻すと。


『「アー!!」』


「サ…サクラちゃん?」


「え?
ナルトとアズサなの?」


『サクラ、久しぶりっ!!』


「アズサも。
見ない間に、すごく綺麗になったよね。」


『そんなことないよ。』


サクラはナルトに聞く。


「どう?
少しは女らしくなっちゃった…?
私ィ……。」


「だいじょーぶ!
ぜんぜん変わってないってばよ!!」


サクラは眉間に皺を寄せる。


『まあまあ、これはナルトなりの褒め言葉だから……。
サクラ、可愛くなったよ。』


「ありがとう、アズサ。

アンタ、私より背ェ高くなったんじゃない!?」


「え…。」


『ほら、やっぱり。
そうだと思ってたんだよ。』


すると、ナルトを呼び止める声がする。


「ナルトの兄ちゃん。
【おいろけの術】!!」


そこには、ナイスバディの女性が立っている。
変化が解かれると、それは木ノ葉丸だった。


「どうだ、コレ!
かなりのボン!キュッ!ボン!だろ!」


「フフフ……木ノ葉丸。
オレってば、もうガキじゃないんだぜ。

そんな術では、なまぬるいってばよ。
木ノ葉丸!
見よ!新開発した、オレの新エロ忍術!!
いくぞォオオオ!!」


「そうそう、新エロ忍術とか……って、このバカー!!!」


『あはは。
二人とも、変わんないなー。』


「中身は全く成長しとらんのかィ、おのれは!!
二年ちょいぶりに会って、たったの二分ちょいで、突っ込み入れさせんな。
コラ!!」

サクラは殴り飛ばしたナルトを、ブンブン振り回す。


「さっきお前にキラキラ乙女心は、どこへ持ってきゃいいんだァ!!
あァ!!
なんか、少し寂しいわけあるかァア!!」


「まあまあ、サクラ。
落ち着いて…木ノ葉丸くんがおびえきってるじゃない…。」


綱手がそこで途切る。


「…よし!
懐かしむのは、その辺で終わりだ。
カカシ。」


「いや〜、久しぶりだね〜。
これから、お前ら三人は、このオレと一緒に任務をこなしていく、チームになる。

昔と違い、今はもう先生でも生徒でもない。
対等な木ノ葉の忍だ。」


カカシは鈴を取り出す。


「ま…どれだけ成長したのかみてやる。
ルールは、初めてお前達と会った時と同じ。
オレを殺すつもりで来ないと、取れないからな!」
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