□軌道二十一 帰郷!!
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「いや〜。
しかし、お前らも強くなったねェ。
まさか、本当にスズ取られちゃうとはねェ。」


「へへ!
オレってば、カカシ先生追い越しちゃったかもよ。」


「何言ってんのよ!
エラそーに。」


『でも、あながち間違ってないかもよ。
この二年半、ただ修業しただけじゃないんでしょ?』


「フフ…。
ま、でも何だ。
オレだって、まだまだ若いからな。
こないだも…あるスゴ〜い新術を開発したんだが、それが……。」


すると、ナルトの腹が鳴る。


「あ!そうだ!
まだ帰ってきて、一楽ラーメン行ってねーってばよ!」


「あー、私も。
昨日からの演習で、ちょっとペコペコォ〜。」


『メンマ大盛がいいな。』


「よし!
ここは、カカシ先生におごってもらうってばよ!」


「あーっ!
さんせーい!!」


『私、煮卵一個追加がいい。』


「…悪いな。
オレは、これから新チームの小隊リスト作って提出しなきゃならんから。
これで、ドロン。」


「あ!逃げた!」


「あんな事言って…本の続きが気になってるだけよ…多分…。」


「へへェ…じゃあ、三人で、これからデー…。」


「いいけど、すべてオゴリね!」


『ナルト、いいよ。
サクラと二人で行って。』


「アズサも一緒だってばよ。
やっぱ、三人で食べようぜ!」


その時、サクラが道の真ん中を歩く二人に、声をかける。


「シカマル!テマリさん!
ホラ!誰だと思う!?」


「おい!
ナルトにアズサじゃねーか!」


「シカマル!!」


そこには、成長したシカマルとテマリの姿があった。


「お前ら、今帰ってきたのか?」


「いや。
昨日、帰ってきた。」


『私も、ナルトに合わせて、昨日帰ってきたんだよ。
最初っから、待ち構えてたカカシせんせーに、捕まったけど。』


「へへ…なんか、バカさ加減が抜けたっつーか…。
なんてーか、変わったか?おい。」


『失敬な!
私、バカじゃ……。』


「いや、変わってない。」


「あ…やっぱり?」


「『サクラ〔ちゃーん〕!』」


ナルトはシカマルに耳打ちする。


「そちらもデートですかい?」


「そんなんじゃねーよ。」


「冗談はよせ。
何で、こんな奴と…。
もうすぐ中忍試験がある。
その打ち合わせで、砂と木ノ葉を行ったりきたりしてるだけだ。」


「で、めんどくせーが、オレは試験の係になってっから…。
砂の使者さんを、お見送りするよう言われただけだ。」


「中忍試験かァ…懐かしいってばよ…。」


「あ!
…で、お前どうすんだナルト?」


「何が?」


「何がって…中忍試験だよ。
オレらと同期で中忍になってないの、お前とアズサだけだぜ。」


ナルトのは固まる。


『私、パス。』


「だろうな。」


「どうしてだ。
お前の実力なら、中忍くらい。」


『ちょっとねー。』


「えー!!!?」


「遅っ。」


「じゃあ!じゃあ!
サクラちゃんも中忍?」


「そうよ。」


サクラはピースサインで笑う。


「…ついでといっちゃなんだが、一期上のネジと砂隠れのカンクロウとこの人は、もう上忍だ。」


「ハァー!!?」


『流石だね、テマリさん!』


「……まぁな。」


『もう、照れちゃって。』


「何か、お前。
二年半で面倒くさくになったな。」


「はっ、じゃあ我愛羅!
我愛羅は?」


――――――――――――


アズサは家の扉を開く。


『ただいまー……って、誰もいないか。』


第七班で撮った写真を、元の写真立てに戻す。


『サスケのバカ。
サスケのせいで、ナルトと私とサスケ、三人仲良く下忍なんだから。』


アズサはベッドの上で丸まる。
周りには、サスケと過ごした時のままの、家具や雑貨。


『……旅してた時は、全然思わなかったのに。
帰ってくると、堪えるなぁ。』


そのまま、アズサは眠りについた。


軌道二十一 帰郷!!
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