□軌道二十一 帰郷!!
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演習場の丸太の前に、四人は集まる。


「ルールは前と同じ。
どんな手を使ってもいいから、オレからスズを取ればいい。
期限は、明日の日の出までだ。」


「なんか…懐かしいってばよ……ここ。」


「うん。」


『皆の、お腹が鳴ってたよね。』


「ああ、そういや。
ここは、お前たちの最初の演習の場所だったっけな。」


「第七班…。」


「四人一組かァ…。」


『お弁当、食べたよね。』


「…あの時は……サスケもいたっけな…。」


三人はブツブツと独り言を言い、空気はどんよりと沈む。

カカシは、空気を変えようと、イチャイチャタクティクスを閉じる。


「さて…始めますか。」


「へへ…今度はその本を読みながらやらないの?
カカシ先生。」


「もう読み終っちゃったんですか?」


『さっすが、早いっすねー。』


「いや、楽しみは後にとっとこうと思ってね。
それに…まァ、今回は何となく…。

オレも少し、本気出さないといけない雰囲気だしな。」


ナルトが、カカシに向かって手裏剣を投げる。
しかし、それをカカシは弾き返す。


『ちっ。
あんにゃろー。』


ナルトは影分身に引っ張ってもらい、手裏剣を避ける。
そして、片方が大きな手裏剣に変化するが、カカシに後ろを取られた。


『はーい、せんせー。
裏の裏を読んでみました!』


カカシの後ろに、クナイを構えたナルトと、銃を構えたアズサが立っていた。


「ま…せっかちなのは、変わりないか…。」


「へへ…。」


「じゃ、スタートだ。」


カカシが消える。


『土遁……かな?』


「下ァ!!」


サクラが地面を殴る。
すると、カカシが現れる。


「見い付けた!」


『ナルト……。』


「ああ……オレってば、これからは気をつけるってばよ。」


「よし。
今度はオレの方からも行きますか。」


――――――――――――


「ハアハア…。」


三人は、木の影に隠れる。


『もっと早く、倒す予定だったのにな……。
日、暮れちゃった。』


「分かってはいたけど。
やっぱ写輪丸って、とんでもない代物ね…。
けど、それ以上に先生の印を結ぶスピード…。
速すぎて、近付けもしない…。

とりあえず、あの両手をどうにかしないと。
スズどころじゃないわね。」


「ああ…カカシ先生ってば、やっぱムチャクチャ強えーってばよ。
シカマル以上の頭…キバ以上の嗅覚…サスケ以上の写輪丸…ゲジマユ以上の体術…。」


「でも、カカシ先生にだって、弱点はあるはずよ…!
良く考えれば…。」


ナルトは頭を絞る。


「あっ…!
あった…弱点…!」


「え?
ほ…ほんとにィ…!?」


『何、何?』


「フフフ…サクラちゃん!アズサ!
カカシ先生の今までを、良く思い返せば分かるってばよ…。」


「勿体つけなくていいから…弱点って何よ、ナルト!」


「ニシシ…それってばね…。」


ナルトの言葉に、二人は笑みを浮かべる。


「なるほど…!
まさか、そんな弱点があるなんて…!
そ…それなら、先生の両手を塞げる上に、上手くいけば写輪眼も防げるかも。
そのスキを突けば…。」


『これを使わない手はないね。』


「ナルト…やっぱあんた、意外性No.1ね!」


「そうと決まれば、先手必勝。
こっちから仕掛けるってばよ!」


「そうね!行きましょ!」


――――――――――――


三人は、カカシの真っ正面から攻める。


「今よ、ナルト!」


「行くぞ!
カカシ先生ェ!

イチャイチャタクティクスの最後のオチはァ!
実は、主人公がァ…。」


カカシはとっさに耳を塞ぐ。
そして、眼を閉じた。


「あっ。」


カカシが眼を開いた時には、すでに三人の手には鈴が握られていた。


「へへ…忍者は裏の裏を読むべし。」


「ねっ、先生!」


『ふふーん!
せんせーには負けないよん!!』
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