金糸雀《終始編》
□1章2 約束<後編>
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「………ハーデス様というのは、神様何ですね」
フィーネは木漏れ日の中親父と共に歩き聞けば、親父は静かに頷いた。
「えぇ、彼の方は冥界を司る王にして、冥王神なのです。」
「…その冥王神と私が見る夢について、何が関係あるんですか?」
「……聞いたら、戻れませんよ。
貴女は大切なモノを捨てなくては行けなくなりますよ?」
「……っ……」
フィーネは神父の言葉に驚き立ち止まれば、俯き神父はフィーネを見て微笑んだ。
「……聞いて、しまいます。
気になるから、私…もしそれで“彼”への想いを諦めることになるなら、それはそれで構いません……」
「……彼とは、“アローン”君のこと…ですか?」
「っ……//」
フィーネはビクっとして神父を見上げれば、親父は何処か嬉しそうに微笑んでいた。
「そうですか……まぁ、聞いても後悔することはないでしょう…」
親父はそっとフィーネの髪を撫でれば、大丈夫と言う顔をして笑った。