金糸雀《終始編》
□プロローグ
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「いや、ハーデス様…ッ」
「ペル…ッペルセポネーッ!」
「い、いやあああぁっ!!」
ペルセポネはハーデスに手を伸ばしながらも、何者かに人間界に続く様に変えられたエレウシスに落ちていく。
「ペル…セポネ……くっ、貴女は絶対に赦さぬぞ……アテナ!」
ハーデスは怒りを露わにし大地を揺らし、アテナという女神を睨む。
「…あの子の為。
貴方を愛し過ぎた、あの子の…ね。」
「うおおおおおぉぉぉっ!!!」
ハーデスは押さえきれなくなった怒りを爆発させ、アテナを瞬時に冥界の水で打った瘴気を帯びた短剣で殺傷した。
「ぐっ…愚かですね…、私を殺しても、コレーは戻らないわ…。
再び、あの子が貴方の元に、居た暁には…また、同じように手を下し…ます…」
ハーデスはその後冥界に退き少しずつ聖域を脅かしつつも、その身と心にダメージを受ける。
いつかペルセポネと再び歩むため、身体をエリシオンに封じた。