梅と鬼の隣で[其ノ1]
□0章3 天敵、羽衣狐。
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「鯉伴様、それでは煌芽をお願い致します。
直ぐ戻りますので」
「おう、気にすんな。リクオの良い遊び相手よ」
「はい…煌芽。リクオと仲良く遊ぶのですよ。」
李杏は煌芽の髪を優しく撫で、元気良く頷いた煌芽を見て微笑んだ。
「うん、母さま♪」
「では、失礼します。
くれぐれも、“黒髪の女の子”にお気をつけ下さい、鯉伴様…」
「あぁ、何もねぇとは思うけど李杏さんの言うことだ。
頭に入れとく」
李杏は頭を下げれば妖気がした方に人の姿でだが、急ぎ向かう。
向かう途中嫌な予感が何度も過ぎり、頭の中と胸の中を支配していた。
「…確か…こっちの方だった筈ですが…」
李杏は立ち止まれば、妖気の源を探し辺りを捜索する。
「ーーーっ!?」
李杏は急に心臓に痛みを覚え両手を胸に当てては、膝を地面に付け苦しそうに呼吸をする。