梅と鬼の隣で[其ノ1]

□0章1 再会
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「…別の梅の樹…ですか」


ピンクの髪を風に靡かせた少女は、切なそうに口にする。


「…姫」

「…藍姫、桜…大丈夫ですよ。きっとあるハズです…」

「ですが、無ければ…貴女は消えて、しまうのですよ?」

「最後の“草花の姫”…李杏…。」


見た目10才の李杏は捻眼山の頂上へと続く階段を見上げながら言えば、ゆっくりと歩き出す。

藍姫と桜が目配せをしてるとも知らずに。


「それは、それで運命<サダメ>。
母上様が私を置いて“京”へ行ってしまわれた…それも運命。

この地に“白梅<シラウメ>”があれば良いですけど…。」

「…ですが、ここは、奴良組の牛鬼様の領地…。

無断で上がり込むのは…その…」


李杏は手を横に伸ばし、藍姫と桜の進行を止めさせる。
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