金糸雀《終始編》
□2章2 冥界
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「……、…フウカ、ちょっと良いかな?」
「なに?ペルセポネ」
「温室について来て…話はそれから…よ」
フィーネのマゼンタ色の瞳が楽しそうに光れば、フウカは肩を竦めた。
「やれやれ…姫君のお言い付けのままに…」
フィーネはその後フウカを連れて、温室に向かった。
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「で?話って何?フィーネ」
「……《聖域》に、行きたいの。」
「…い、いつ…」
フィーネはベンチに腰をかけてフウカを見れば驚いた顔をしていた。
「…ア…ハーデスが…気付かないうちに…」
「あんた、バカなの?」
「…今回、だけ…。
私、アテナにお願いしたい事があるの…」
フウカは目を閉じそして苦笑いをして、呆れたように笑った。
「…わかったわ。
後で呼んで。直ぐ来るから」
フィーネは頷きフウカを見送れば、右腕の花輪を見詰めた。
何か感じることがあるのだろう。