金糸雀《終始編》

□2章2 冥界
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「……すみませんがハーデス…私は暫く眠ります。

小宇宙がまだ弱い所為か、私と天馬星座の守護で起きてるのも辛いくらい、消費しているのです。」

「……構わない。

ペルセポネの小宇宙は…“あの花輪”に籠もっている…そう捉えて良いものか?」


フィーネはハーデスの言葉にコクリと頷き、自分の花輪を見ればあの日を思い出した。

そう、あの洪水の日の出来事だ。


「…あの日…、

天馬星座が孤児院を出るきっかけになったあの洪水の日…

私は小宇宙を込め…天馬星座とは知らずうちに、助けていたのです。」

「そうか……、わかった。
ゆっくり休みまた余の相手をしてくれ、ペルセポネ」


フィーネはふわりと笑みを浮かべ、頭を下げてから部屋を退室する。


(…知らせが来たら、君に会いに行くよ…“テンマ”)


アローンはフィーネの後ろ姿を見送った後、内心そう思った。
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